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家カフェ注文住宅【2024年4月版】

IH調理器(クッキングヒーター)の危険性が高いというのはデマ?

IH調理器(クッキングヒーター)は火を使わずに加熱調理をする器具ですよね。

新築の注文住宅ではオール電化の割合が50%を超えていると言われています。

一方で、IH調理器は危険性が高いという意見もあります。

しかし具体的にどのような危険性があるのかは意外と情報が少ないため、危険性があるというのはデマなのではないか、と感じている方も多いのです。

そこで、今回はIH調理器に危険性はあるのか、あるとしたらどのような危険があるのかを調べましたので紹介します。

また、IH調理器のメリット・デメリットや、普及率にも触れています。

IH調理器(クッキングヒーター)には危険性があるのか?

IH調理器は火を使わないため火災の危険が少なく、CO2を排出しないため環境にも良く、室内の空気も汚しません。

しかし「IH調理器は危険」と感じている方も根強くいるのは確かです。

一般的にIH調理器が危険だと感じている理由は電磁波のようです。

そこでIH調理器が発生する電磁波について調べてみました。

IH調理器が発生する電磁波は危険?

IH調理器が出す電磁波は、一般的な家電の電磁波と変わりません。

家電から出ている電磁波は非常に小さいため健康への影響は総じてないと言われています。

以下は家電から出ている電磁波の値を測定した結果の表です。

データは家電製品から発せられる電磁波検討ワーキンググループが平成25年に行った測定を元にしています。
 

家電の種類 測定値(%)
電気マッサージ機(手持ち型) 68%
電動歯ブラシ/充電器(非接触) 46%
温水洗浄便座 18%
電気カーペット 13%
シェーバー 6%
IH炊飯器 5%
IH調理器 3.5%
電気毛布 3.5%
食器洗い乾燥機 2%
電気掃除機 2%
電子レンジ 2%
ヘヤドライヤー 2%
ルームエアコン 2%
電気洗濯機 0.2%
電気ポット 0.2%
電気冷蔵庫 0.2%
加湿器 0.2%
液晶カラーテレビジョン 0.2%
ブルーレイレコーダ 0.2%
ミニコンポ 0.2%
事務所用直付インバータ蛍光灯器具 0.2%
事務所用直付けLED照明器具 0.2%
住宅用直付インバータ蛍光灯器具 0.2%
住宅用直付LED照明器具 0.2%
住宅用吊下げ形インバータ蛍光灯器具 0.2%
住宅用吊下げ形LED照明器具 0.2%
卓上用インバータ蛍光灯スタンド 0.2%
卓上用LEDスタンド 0.2%
電球形LEDランプ 0.2%

 
この表を作る際に参照したのは家電製品から発せられる電磁波検討ワーキンググループが平成25年に行った測定データです。

ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)が定めた家電が発する電磁波のガイドラインと、IEC(国際電気標準会議)の制定した家電の発する電磁波の測定方法規格に従って行われました。

「家電製品から発せられる電磁波検討ワーキンググループ」には日本電機工業会や三菱電機・シャープ・ソニー等の家電メーカーの担当者が含まれていて、日本で最も信頼できる電磁波のデータとされています。

表を見ると分かる通り、家庭用のIH調理器から出る電磁波はICNIRPガイドラインで規定されている値の3.5%なので、電磁波による危険性は無いと考えられます。

危険性があるとすれば、調理後に表面が熱くなることでしょう。

しかし、イメージ的にIHは嫌だという場合はガスコンロにしたほうが良いですね。

ストレスは健康への影響もありますので、自分にとって癒やしの空間となるよう意識して家づくりを進めてください。

IH調理器(クッキングヒーター)のメリット・デメリット

IH調理器のメリット・デメリットを見てみましょう。

IH調理器のメリット

IH調理器のメリットは以下の通りです。

  • 火を使わないため火事になる心配がない
  • 上昇気流が発生しないため油はねが少ない
  • 表面がフラットなので掃除がし易い
  • ガス代がかからない(光熱費が安い)
  • フライパンや鍋が温まるのが早い

火を使わないため火事になる心配がない

IH調理器は電気で鍋やフライパンを温めるので、直火を使いません。

そのため煙やCO2が発生しないので、高齢者等が使用しても安全です。

大地震等の災害時の火事の多くはガスコンロが原因だと言われていますから、直火を使わないIH調理器は安心ですよね。

上昇気流が発生しないため油はねが少ない

IH調理器は上述したとおり、直火を使いません。

そのため、加熱調理中に上昇気流が発生しにくいため、炒め物による油はねの飛ぶ距離が短いです。

リビングの隅まで油が飛んでしまうことはありません。

さらに、加熱に要するエネルギーの効率は90%以上ですからエコですよね。

一方のガスコンロは直火による熱で上昇気流が発生します。

特にアイランドキッチンでは、上昇気流に乗った油を換気扇で吸いきれないため、部屋の隅々まで油が拡散してしまいます。
 

アイランドキッチンの油はねに関して詳しく触れた記事があります。
アイランドキッチン(ガスコンロ)の油はねガードガラスは防止対策になる?
 

また、加熱に要するエネルギーの半分以上が熱として逃げてしまいます。

冬場に部屋の空気を温めるのには良さそうですが、ちょっとエネルギーロスが大きいですね。

表面がフラットなので掃除がし易い

IH調理器はガスコンロのような五徳(ごとく)がないので表面がフラットになっています。

そのため鍋が吹きこぼれた時や炒め物の油はね等を拭き取るのが簡単なんです。

ガスコンロとIH調理器の療法を使ったことがある方の中には、この掃除のしやすさを最も大きなメリットだと感じている方が多いです。

ガス代がかからない(光熱費が安い)

IH調理器は調理によるガス代がかかりませんが、給湯も電気とする「オール電化」を採用することで、ガスの基本料金がかからなくなります。

また、電気代自体も各電力会社でお得なプランが用意されているため非常に安くなります。

オール電化にするだけで一般的なガス併用住宅よりも光熱費が40%ほど削減できます。

しかし、最近のガスコンロやガス給湯器は性能がかなり良くなってきているので、ここまでの差は出ないこともありますよ。

フライパンや鍋が温まるのが早い

IH調理器は、フライパンや鍋が温まるのが早いです。

意外かもしれませんが、ガスコンロと比較して火力は強いと言えますね。

食材に熱を効率良く伝えるコツは、フライパンを振らないことです。

IH調理器の表面からフライパンが離れると加熱がストップしてしまうので、フライパンを置いたまま木べら等で食材が焦げないように動かしながら加熱すると良いですよ。

IH調理器のデメリット

IH調理器のデメリットは以下の通りです。

  • 値段が高い
  • ダイナミックに料理できない
  • 加熱調理後しばらくは表面が熱い
  • 直火が出ないので料理の種類に制限がある

値段が高い

一般的に、IH調理器はガスコンロに比べて値段が高いです。

キッチン埋込み式のガスコンロの中くらいのランクの値段が3~4万円なのに対し、IH調理器は10~15万円となっています。

ガスコンロの4~5倍するんですね。

さらに、キッチンの天板との段差がほとんどないフラットタイプやオールメタルが二口あるタイプを選択するとグンと金額が上がります。

↓IH調理器段差なしフラットタイプの画像

一般的なIH調理器はキッチンの天板との段差が1cmほどあり、コップ等を境目に置くことはできませんが、段差なしフラットタイプであればコップやお皿、フライパン等を境目の上にも置くことができて便利です。

しかし、かなり高額なのでプラス20万円以上になることを覚えておいて下さい。

人気のIH調理器はこちら。
人気のIH調理器を紹介
 

ダイナミックに料理できない

ガスコンロでの調理に慣れている方は、IH調理器での調理に物足りなさを感じるかもしれません。

ガスコンロであれば、五徳の上で豪快にフライパンを振ってチャーハンを炒めることができます。

IH調理器の場合はおとなしくフライパンを置いたまま木べらでかき混ぜる程度になります。

しかし、火の通りはガスコンロよりも早いので調理時間の短縮になりますよ。

一長一短ですね。

加熱調理後しばらくは表面が熱い

IH調理器は直火を使わないので、表面が熱くならないと思っている方もいます。

しかしIH調理器は調理後は表面がとても熱くなり、あやまって触れてしまうと火傷してしまいますよ。

各機種「高温注意」などの表示が出ますが、ペットの猫やお子さんがいる場合は注意が必要ですね。

直火が出ないので料理の種類に制限がある

IH調理器は直火を使わないという特徴がありまずよね。

安全な反面、出来ない調理があります。

それは、

山芋のヒゲをあぶって焼くなどの、直火を使った調理です。

直火が出ないので当然なんですが、上記のような調理をしたい方はカセットコンロ等を別途買っておくと良いですね。

IH調理器とガスコンロのシェア・割合は?

IH調理器とガスコンロのシェア・割合はどのくらいだと思いますか?

総務省による2019年全国家計構造調査によると、二人以上の世帯のIH調理器の普及率は23.9%となっています。

平成21年の18.2%から5.7%伸びていますね。
 

参考サイトのリンク
総務省のホームページ|2019年全国家計構造調査

リンク先にある表の参考資料「主要統計表(エクセル:KB)」をダウンロードすると様々な実態調査の結果が見られますよ。
 

この23.9%という数値は、集合住宅(アパート・マンション)や古い家等も含んでの普及率です。

新築の注文住宅では半分以上の方がIH調理器を選んでいるので、今後IH調理器の普及率は更に伸びていくと考えられますね。
 


 
以上、今回はIH調理器の危険性やメリット・デメリット、普及率を紹介しました。

IH調理器はメリットが多いですし、危険性の部分さえ納得できれば快適な家造りのために選んでおくと良いですね。

じっくりと考えてみて下さい。

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