家を建てた翌年は、会社勤めの方でも確定申告をします。
確定申告をすることによって住宅ローン控除を受けることができるので、所得税の還付が受けれるのです。
住宅ローン控除を受けるにはいくつかの必要書類があります。
必要書類の中には、原本が必要なものとコピーで良いものがあるのですが、住民票などは手元のコピーでも良いのでしょうか?
実際に確定申告に行く時に慌てないように、住宅ローン控除に必要な書類を事前に確認してみましょう。
また、2年目以降のやり方についても触れています。
家を建てたら確定申告が必要?
家を建てたり、建売住宅や中古住宅などの不動産を購入する際に住宅ローンを組んだ人は翌年に確定申告が必要になります。
いわゆる住宅ローン控除を受けるためです。
住宅ローン控除を受けると、所得税が戻ってきます。
控除される期間は10年間です。
控除される額は最大で、
- 一般住宅=400万円(年間40万円)
- 認定住宅=500万円(年間50万円)
です。
所得税から控除しきれない分は、自動的に住民税から控除されますので必ず申告して還付を受けましょう。
確定申告の時期は、毎年年明けから3月15日までです。
毎年2月中旬に確定申告の会場がオープンしますが、それ以前は税務署で確定申告可能なので、必要な書類が整ったら税務署に出向いて確定申告しましょう。
住宅ローン控除の必要書類は?
住宅ローン控除を受けるためには書類を提出する必要があります。
必要書類は以下の通りです。
- (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 土地・建物の登記事項証明書
住民票の写し平成28年分以降は不要に- 源泉徴収票
- 売買契約書・請負契約書
- 住宅ローンの年末残高証明書
- 長期優良住宅等の認定通知書(認定住宅の場合)
- 住宅用家屋証明書又は※認定長期優良住宅建築証明書
住宅借入金等特別控除額の計算明細書
住宅借入金等特別控除額の計算明細書は、住宅ローン控除を受けるために確定申告書とセットにして提出する書類です。
家の価格や住宅ローン残高等を記入し、色々な係数を掛けて計算します。
住宅借入金等特別控除の計算明細書は、以下のページからダウンロードできます。
▶ 国税庁のホームページ|確定申告必要書類(明細書・計算明細書)
提出用と控え用がセットになっています。
土地・建物の登記事項証明書
家が完成して、工事費の支払いが完了する時に登記が行われます。
登記される情報は、
- 表題部=土地・建物の所在地や面積等の情報
- 甲区=その家や土地の所有者の情報
- 乙区=抵当権などの情報
です。
確定申告時に必要である他、不動産の売却の際等に必要となります。
登記事項証明書は、申請すればその不動産の所有者でなくても、誰でも取得できるのです。
不動産業者が空き地の所有者を探したり、価格の査定をする目的で取得したりします。
土地・建物の登記事項証明書は、法務局で取得できます。
法務局で登記事項証明書の交付請求書を記入して、印紙を買って貼り、提出すると数分で出てきますよ。
同じ要領で、測量図や公図なども取ることができます。
源泉徴収票
源泉徴収票は、お勤め先に請求することで取得できます。
確定申告時に必要である他、住宅ローン等の審査にも必要ですよね。
売買契約書・請負契約書
売買契約書・請負契約書は、土地の売買時や住宅の契約の証として、不動産業者や住宅会社が作成します。
建築する建物の面積や構造、価格・明細、図面などをセットにして製本したものです。
住宅ローンの年末残高証明書
住宅ローンの年末残高証明書は、毎年11月頃に住宅ローンを組んだ金融機関から送られてきます。
年末の時点でのローン残高が記載されているのです。
確定申告時にこの書類を見ながら「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」に記入します。
長期優良住宅等の認定通知書(認定住宅の場合)
長期優良住宅の認定通知書は、長期優良住宅の認定申請書に問題がなければ1週間程度で降りてきます。
家が完成した際に、建築確認申請書とセットにして住宅会社が建築主に渡します。
長期優良住宅の認定を取りたい場合は、家の設計段階で住宅会社に相談する必要があります。
着工後に長期優良住宅に変更することはできません。
完成後に、リフォーム工事によって長期優良住宅にすることは出来ますが、余分なお金と時間・労力がかかってしまいます。
長期優良住宅の認定には申請費がかかり、建物に要求される性能を満たすための材料費や施工費等のコストがかかります。
住宅用家屋証明書
住宅用家屋証明書は、家の完成後に市町村に申請して取得する書類です。
一般住宅を建築した場合は必要ありませんが、長期優良住宅又は低酸素住宅(認定住宅)場合の申告に必要になります。
認定住宅の場合は、所得税・住民税から控除される金額が増えます。
- 一般の住宅=最大400万円/10年間(1年につき40万円まで)
- 認定住宅=最大500万円/10年間(1年につき50万円まで)
申請には以下の書類が必要です。
- 住宅用家屋証明申請書(市町村のHPからダウンロード)
- 住民票の写しまたは印鑑証明書(市町村)
- 建築確認済証(確認申請書ファイル内)
- 検査済証(確認申請書ファイル内)
- 建物登記事項証明書(法務局)
- 表題登記完了証(土地家屋調査士)
- 表題登記申請書(土地家屋調査士)
取得にはたくさんの書類が必要になりますから、住宅会社に相談してみてください。
住宅会社で揃えられるものは頼んでしまいましょう。
住宅ローン控除の住民票はコピーでも可?
上述したとおり、以前は住宅ローン控除のための確定申告には住民票の写しの提出が必要でした。
しかし、マイナンバー制度の導入によって、平成28年分(2016年分)の確定申告から住民票の提出は必要なくなりました。
こうした手続も、だんだんと合理化していますね。
因みに、平成27年分(2015年分)以前も、原本は必要なかったということで、住民票はコピーでも可でした。
家を建てた年の年末調整はどうしたらいい?
会社に勤めている方、つまりサラリーマンの方は毎年、会社が年末調整で所得税の処理をしてくれますよね。
家を建てた時は会社がしてくれる年末調整だけではなく、確定申告をする必要があります。
会社から源泉徴収票を受け取ったら、確定申告時に添付して提出してください。
自営業の方が家を建てた場合は、例年通りの確定申告時に、住宅ローン控除の手続きも行います。
2年目以降の住宅ローン控除の手続き方法
サラリーマンの方の場合、家を建てて2年目以降は、確定申告の必要はありません。
給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
という書類を会社に提出するだけです。
給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書は、金融機関の年末残高明細のように毎年送られてくるものではなく、最初にまとめて送られてきますから、重要書類入れに入れておきましょう。
給与明細や源泉徴収票等の書類と同じファイルにまとめて入れておくと分かりやすいですよ。
自営業の方の場合は、2年目以降も確定申告の時に手続きが必要です。
しかし、1年目よりも必要な書類が少なく、手続きが簡単になっています。
住宅ローン控除に関しては、下記の書類を提出するだけです。
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 金融機関から送られてくる年末残高証明書
住宅借入金等特別控除の計算明細書は、自身で計算して記入する必要がありますが、やり方は確定申告の会場で係員の方が教えてくれるので心配いりませんよ。
記入せずに持っていってしまってOKです。
会場で整えて提出しましょう。
以上、今回は住宅ローン控除の必要書類や、住民票、年末調整や2年目の方法を紹介しました。
自営業の方にとっては年に一度の風物詩ですが、サラリーマンにとっては家を建てた時くらいしか機会のない確定申告。
この記事を参考にして事前に必要書類等を確認し、準備万端で早めに手続きしましょう。