アパート・マンションには必ずある「角部屋」。
日当り良好なので人気がありますよね。
しかし建物の角度や配置によっては、西日によって部屋が暑くなるという問題もあるんです。
今回は西日に悩む静岡県のSさんに質問を頂きましたので紹介します。
後半では西日対策に有効なガラスに貼るフィルムやルーバーの紹介もしていますよ。
夏に西日(にしび)が大きな窓から当たって暑い!
(静岡県にお住まいのSさんの体験談と質問)
2DKのアパートは4階建ての2階の角部屋です。
西側の端なので西日(にしび)がもろに当たります。
カーテンはしていますが午後はジリジリと暑いですね。
当然エアコンはつけています。
しかしカーテン越しに西陽を受けている肌が熱を持ってしまってエアコンが効いている感じが薄いんですよね。
厚手の布をカーテンに重ねてみたらかなり涼しいのですが、やっぱり暗くなるので昼間から電気をつけるのもバカらしくてやめました。
我慢できないような暑さではないので普通のカーテンで過ごしています。
光を通しながら熱は通さないようなカーテンがあるか探しましたが、検索して出て来る商品のレビューには熱のことは言われていなくて買う気がしません。
夜寝苦しいのも西陽のせいだと思っています。
家の中が熱を持ってしまって体が火照る感じがして寝付けません。
寝ても汗かいて途中で起きてしまします。
そしていつ寝たんだか分からないうちに眠っていて、朝起きると汗かいていてとても不快なんです。
ほぼ毎日です。
エアコンの温度を下げすぎると変に冷えてしまい体調が悪くなってしまうので、低くても25度くらいにしています。
通常は27度くらいにしていますが、27度だとぜんぜん効いてる気がしません(*_*)
先日、主人が「遮熱ブラインド」なるものを自作しました。
窓と同じ大きさの2枚の板に、アルミホイルをまんべんなく貼って外側に向けて設置したのです。
たしかに暑さは防いでくれます。
その点は布よりもすごかったですね。
夜もかなり眠れたので、寝付けない原因はこの窓だとはっきりしました!
しかし、光を完全に遮断してしまいました。
ダイニングには西向きの窓しかなく、南側の2部屋の戸をあけていても薄暗いので気持ちが滅入ってしまったので外してしまいました。
効果があったということを主人にしっかり伝えるのは忘れませんでした(^^)
サイトを拝見していて、色々と教えていただけそうだったので、連絡させていただきました。
■質問
西陽を防いで涼しく(光を遮断せず)、夜も寝付けるようになる何か良い対策はあるでしょうか?
また、家を新築する場合は住宅会社はそういうところをきちんと考えて家を作ってくれますか?
レビューや掲示板を見ていると、西日についてのトラブルはあまり聞かないですが、
「追加でお金がかかるのを聞いていない」
とか
「決めたものと違うものが出来上がった」
などのトラブルがたくさん見つかるので不安になりました。
もっと西陽について悩んでいる人の情報が多くてもいいはずなのにどうして見つからないのか不思議です。
西日対策の紹介
今回は西日に関する問題についてご質問をいただきました。
- 西日を防いで涼しく(光を遮断せず)、夜も寝付けるようになる何か良い対策はあるでしょうか?
- 家を新築する場合はハウスメーカーはそういうところをきちんと考えて家を作ってくれますか?
に関してアドバイスをさせていただきます。
西日を防いで涼しく(光を遮断せず)夜も寝付けるようになる何か良い対策はあるでしょうか?
- 1 夏に西日(にしび)が大きな窓から当たって暑い!
- 2 西日対策の紹介
- 2.1 西日を防いで涼しく(光を遮断せず)夜も寝付けるようになる何か良い対策はあるでしょうか?
- 2.2 家を新築する場合は住宅会社はそういうところをきちんと考えて家を作ってくれますか?
西日を防ぐには以下のような方法かあります。
- 遮光・遮熱フィルムで西日の熱を遮断する
- ルーバー(縦型)で西日をコントロールして直射を避ける
- Low-Eガラスサッシで遮熱する
- 面状のブラインドで西日を完全に遮断する
遮光・遮熱フィルムで西日の熱を遮断する
遮光・遮熱フィルムを窓の室内側に貼ることで西日による暑さを軽減できます。
色んなメーカーのフィルムがありますが、3Mというメーカーのフィルムが多く使われていて信頼できますよ。
自分でも貼ることはできますが、気泡が入らないように貼るのが難しいので、依頼している住宅会社さんに材料・施工とも頼んでしまうのが無難ですね。
ルーバー(縦型)で西日をコントロールして直射を避ける
ルーバーで西日をコントロールできますよ。
ルーバーとは、ブラインドのような複数の薄い羽状の板を横または縦に並べたものです。
ガラリともいいます。
一般的には固定されたものをいいますが、羽を動かせるものもありますよ。
動かせるものは「可動ルーバー」です。
本来は、西日に対しては外付けの縦型ルーバーが最適です。
理由は、
- 外側で西日を防ぐ方が効率が良い
- 横型ルーバーだと真横からの西日に不向き
が挙げられます。
しかし、現在の日本では既製品の外付け縦型ルーバーが存在しません。
輸入するか制作するしか無いのです。
いずれにしてもハードルが高いので、室内に縦型ブラインドを付けることをおすすめします。
縦型ブラインドは「バーチカルブラインド」とも呼ばれ、多くの種類が販売されていますよ。
バーチカルブラインドのメーカーは以下のものが有名です。
- タチカワブラインド
- ニチベイ
- トーソー
- ナニック
- JBS
タチカワブラインド
▶ タチカワブラインドのホームページ|PRODUCTS
ニチベイ
▶ ニチベイのホームページ|たて型ブラインド
トーソー
▶ トーソーのホームページ|バーチカルブラインド製品紹介
ナニック
▶ ナニック(Nanick)のホームページ|ウッドバーチカルブラインド
JBS
▶ JBSのホームページ|PRODUCTS ティンバーバーチカルブラインド
縦型ブラインド(バーチカルブラインド)は西日のコントロールが可能なため西側の窓にピッタリです。
しかし、開閉や角度を変えるのも簡単なので、出入りすることのある南側の掃き出し窓などにも適しています。
メリットはデザインがかっこいいことと、太陽光のコントロールが簡単操作でできることです。
デメリットはカーテンや横型ブラインドに比べて風に弱いことですね。
採用される部屋の風通し等を確認し、あまり風が強い場合は窓の開閉の際に強い風が縦型ブラインドに当たらないよう注意が必要です。
カーテンに比べ、部品の可動部分が多いため故障のリスクがありますが、ロールスクリーンや横型ブラインドと同等だと言えます。
Low-Eガラスサッシで遮熱する
最近はLow-Eガラスサッシが一般的になってきました。
Low-Eガラスサッシは、複層になったガラスの内側に特殊な金属膜を貼った窓のことです。
Low-Eガラスサッシには
- 遮熱タイプ
- 断熱タイプ
があります。
遮熱タイプは夏の日差しの熱さが室内に入るのを防ぐ機能があります。
また、冬場においては室内の熱を外に逃がしにくい効果もあるんですよ。
断熱タイプは冬場に外の冷気が室内に侵入しにくい機能があります。
夏場には遮熱タイプのような効果は小さいです。
以上のことから、「遮熱タイプ」と「断熱タイプ」は以下のように使い分けると効果的です。
- 南面・北面=断熱タイプ
- 東面・西面=遮熱タイプ
冬場に陽の光を室内に取り込みたい時に、南側の窓が遮熱タイプだと、せっかくのお日様の暖かさを遮断してしまいます。
これは私が自分の家で実感しました(^^)
北面は周辺の状況によっては夏の西日が入り込むので、遮熱タイプにした方が良い場合もあります。
家の周辺の状況をしっかりと考慮して、どちらのタイプが良いかを判断するようにしましょう。
温暖化によって平均気温が上がってきた日本では、Low-Eガラスサッシはもはや欠かせない設備と言えるかもしれませんね。
面状のブラインドによって西日を完全に遮断する
これはSさんの体験談本文にも登場したご主人が手作りしたものですね。
面状のブラインドとは、窓枠の内側にレールを設置して引違い戸のように設置するブラインドのことです。
ご主人がやった「外に面する部分にアルミホイルを貼る」というのは非常に効果的だと言えます。
アルミは一般的な金属の中でも遮熱能力が高く、西日のような輻射熱を遮断するにはもってこいの材料なんですよ。
ピクニックの敷物によくある「アルミ蒸着シート」は輻射熱を65パーセントほどしか遮断しないのでアルミ箔のほうが効果が高いです。
材料はホームセンターで安く変えますし、作るのも簡単ですから良い西日対策だと思います。
注意点は、
- 光を完全に遮断してしまうので、西側一面しか窓がない部屋の場合は暗くなってしまうというところ
- あまり薄い板を使うと曲がってしまって開閉がしづらくなるところ
ですね。
家を新築する場合は住宅会社はそういうところをきちんと考えて家を作ってくれますか?
- 1 夏に西日(にしび)が大きな窓から当たって暑い!
- 2 西日対策の紹介
- 2.1 西日を防いで涼しく(光を遮断せず)夜も寝付けるようになる何か良い対策はあるでしょうか?
- 2.2 家を新築する場合は住宅会社はそういうところをきちんと考えて家を作ってくれますか?
西日対策については、依頼する会社の種類によって可能な対策の種類が異なるので注意が必要ですね。
- ハウスメーカーの西日対策
- 工務店の西日対策
- 設計事務所の西日対策
ハウスメーカーの西日対策
ハウスメーカーが作る家は、基本的なプランが用意されていて、それをアレンジすることで要望を叶えていく手法が一般的です。
構造の強度を保つために重要な「耐力壁」の位置が決まっているため、窓や壁の位置は希望通りに変えられない可能性があります。
そのため、西日対策としては間取りによる対策ではなく、「窓」の性能による対策となる可能性が高いです。
上でも紹介したLow-Eガラスを使用した窓ですね。
二重ガラスの内側に金属膜が貼られた特殊なサッシですが、最近は住宅の性能を高める事が業界全体で進められているため、一般的になってきました。
Low-Eサッシを使用した場合、遮熱カーテン等を使用する必要はないほど遮熱効果がありますよ。
工務店の西日対策
工務店の西日対策もハウスメーカーと同様となることが多いです。
ただし、一級建築士事務所または二級建築士事務所を兼ねている工務店の場合は設計を柔軟に行えるので、西日を考慮した間取りづくりをしてくれるかもしれません。
ですが、間取りによる西日対策を希望する場合は予め打ち合わせの中で強く要望することが重要です。
設計事務所の西日対策
設計事務所は文字通り設計を主に行なっています。
設計事務所の建築士は、間取りを考える前に敷地をくまなく調査して、風が吹く方向や日当たり、西日等のさまざまな要素を考慮して間取りをゼロから作っていきます。
住環境を良くするために最初から設備を検討するのではなく、間取りや高さ・デザイン等の工夫による対策を優先させる設計事務所が多いです。
間取り等による西日対策に関しては、ハウスメーカーや一般的な工務店よりも良い提案をしてくれる可能性が高いですよ。
以上、今回は西日に関する体験談と、西日対策を紹介しました。
参考にしていただければと思います。