注文住宅で子供部屋ってどうしたらいいでしょうか。
私は自分の家を建てたとき、今後子供が生まれて大きくなった場合は、書斎兼客間として使っている部屋か屋根裏部屋の一部を寝る場所として与えればOKと考えていました。
ちょっと安易だったかもしれません^^;
どんどん家の中のモノが増えて、書斎兼客間だった部屋は
- 収納
- 書斎
- 子供の遊び場
- 来客の寝る場所
を兼ねる部屋となっています。
これから家を建てる場合、子供部屋は予め計画した方が良いですね。
この記事はその、子供部屋の広さについてです。
子供部屋の平均の広さってどれくらいなんですかね?
4.5畳は狭いんでしょうか?
3畳や4畳の子供部屋は?
気になりますね。
子供部屋に必要最低限の広さについても細かく触れていますので、確認してみましょう。
1.注文住宅の子供部屋の広さの平均は?
注文住宅の子供部屋の広さには決まりがありません。
天井の平均高さが2.1m以上必要という以外、寸法に制限は無いんです。
また、それぞれの家の面積や部屋の大きさは、紙ベースの図面データとしては役所や指定確認期間に保管されていますが、データベースとしてまとめられてしませんから、平均の広さなどを調べることはできません。
また、住宅会社でもCAD(図面作成ソフト)のデータが保存してありますが、データベースとして部屋の広さまでは管理していないんです。
では、どのくらいの広さが一般的なんでしょうか?
子供部屋は、私が建築の仕事を始めた頃は1部屋6畳程度が普通とされていました。
子供室を4.5畳で提案したときに、お客様から「狭い!」と怒られたこともあります^^;
しかし、ちょうど15年くらい前から子供部屋を狭く設定する家が増え始めました。
インターネットで一般の人も間取りに対する情報をゲットできるようになってきたので、徐々に情報が浸透していった時期なのかもしれませんね。
雑誌でも以前にはなかったような変わった間取りがたくさん載ってます。
多くはかなりコンパクトなスペースを子供部屋として楽しく利用しているものです。
5畳の部屋を兄弟2人で使ったり、ベッドだけ自分の部屋にあって勉強はダイニング、遊びはリビングでという楽しい使い方です。
この家カフェでも今後変わった楽しい使い方をしている事例を紹介していきたいと考えてます。
2.子供部屋の広さは3畳や4畳や4.5畳でも可能なの?
子供部屋の広さはだんだん狭く設定するようになってきていると書きました。
4.5畳や4畳は当たり前、3畳という子供部屋もよく見ます。
3畳というと、ほとんど寝るくらいしか出来ないのでは?
と感じますよね。
確かに、設計する上では「寝るためだけの部屋」として作るんですが、子供は大人が思いもよらない使い方をするものです。
ベッドを置いたら通路しか残らないようなスペースに色々持ち込んで、遊び場や勉強部屋として使うんですよ。
むしろ、広い部屋よりも集中できるという子供もいます(^^)
子供部屋は狭くても良いとしても、どこまで狭くして良いんでしょうか?
勉強や遊びは家の中の他の場所でやるとして、寝る時だけ部屋を使うと考えた場合、ベッドが入るギリギリの広さは最低限必要ですよね。
①ベッドが入る最低限の広さは?
では、ベッドが入る最低限の広さはどのくらいでしょうか?
シングルベッドの大きさは、2m✕1m程度です。
ベッドが入って、人が歩けるスペースがどうしても必要なので、
下図のように2.5間(2.275m)✕1間(1.8m)の広さがあればOKですね。
↓子供部屋2.5畳の平面図
面積は4.14㎡で、2.5畳がベッドが入る最低限の広さということになります。
収納が足りなくなってきたら、ロフトベッドに換えれば収納だけでなく勉強スペースまでできますね。
では、子供が2人いる場合には2.5畳✕2で5畳必要なんでしょうか?
②子供が2人いる場合の子供部屋の最低限の広さは?
子供が2人いる場合は、効率的にできます。
2部屋の中央に二段ベッドを作り、各部屋から上下互い違いに使うことでベッド部分の面積を2人で使うことが出来るんです。
↓2人分の子供部屋3.75畳(平面図)
↓二人分の子供部屋3.75畳(縦断面図)
ベッド兼間仕切りということですね。
こうすることで、6.21㎡=3.75畳に二人分の子供部屋ができるわけです。
ただし、一人が使える面積は2.5畳あるので、1人分の子供部屋の最低限面積と同じになります。
因みに、これまでに何度か上記のような二段ベッド間仕切りを設計させていただいた事がありますが、子どもたちは問題なく使ってくれていますよ。
ということで、最近では子供部屋は4.5畳では広い方なんですね。
3畳〜4畳でも十分広いんです。
6畳というのは、大人が1人生活できる広さなので、子供部屋としては広すぎると考えたほうが良いかもしれませんね。
3.子供が小さい場合の子供部屋はどうしたらいい?
子供が小さい場合は、最初は物置として使い、大きくなってから部屋として使うようにすれば良いですね。
寝室を広く作っておいて、子供が大きくなってきたタイミングで壁を作って区切ることもできますよ。
要するに、将来の家族の状態を予測して間取りや部屋の用途を変更できるようにしておくことが大事ということです。
木造軸組工法の場合はかなり自由度が高いため、壁の異動ができるのである程度想定外の変更が可能です。
枠組壁工法(ツーバイフォー工法)の場合は、壁の追加は出来るんですが、構造上の問題で壁を減らすことが出来ない可能性がありますね。
想定外の変更はできないところに注意が必要です。
ツーバイフォーに関しては詳しい記事があります。
目次 ~この記事に書かれていること~
子供部屋を狭くする間取りが増えている理由は、
- 限られたスペースの有効利用
- 家族のコミュニケーション活性化
- 子供の能力開発
だと言われています。
- 限られたスペースの有効利用とは
都市部では特に土地の価格が高く、スペースは常に足りない状態なので、子供部屋に限らずできるだけ無駄を省いた設計が要求されているということですね。
子供部屋は本来の用途からすると、面積が過剰だと判断される傾向があります。 - 家族のコミュニケーション活性化
住宅業界では、玄関から直接二階の子供部屋に行ける間取りのことを「犯罪者を作る間取り」などと揶揄されるなど、部屋にこもってテレビゲームばかりする子供が増えたことが社会問題となっています。
家族のコミュニケーション不足が子供の判断力低下に繋がるという考えから、子供が玄関から自分の部屋に直行できないような導線にする間取りが話題になった時がありました。
現在も玄関から一度必ずリビングを通らなければ個室に行けないようになっている間取りはよく提案されていますね。それを臨むユーザーも多いです。
最近では子供部屋を狭くしたりコンセントを付けないなど、子供がこもるようなスペースを無くす傾向にありますね。 - 子供の能力開発
最近、寝ること以外を自分の部屋でやらせないことが子供の能力を高めることに繋がるという考え方が広まっているんです。
東大生を3人育てた教育ママ・佐藤亮子さんがテレビで「リビングで勉強させていた」と語ったことが発端だとも言われています(^^)
自分の子供を全員東大に入れた人が言うのは説得力ありますよね。今後このような考え方がより広まっていくような気がします。
他にも色んな要素があると思いますが、現在は子供部屋は極力狭くする方向でみなさん間取りを作っていますね。
しかし、決して子供部屋を広くしてはいけないわけではないですので、自由な発想で間取りを考えてみてください。
そして、楽しい家づくりをされることを願っています。
この記事が家づくりの参考になれば嬉しいです。