家を建てたり購入すると、翌年から固定資産税を払うことになります。
正確には、
- 建物の固定資産税
- 土地の固定資産税
- 建物の都市計画税
- 土地の都市計画税
の合計額を支払うんです。
固定資産税額は、それぞれの固定資産税評価額に一定の税率を掛けた額になります。
その計算方法は少し複雑なんですよね。
今回は、固定資産税評価額の調べ方と、税額の計算方法を紹介します。
1.建物や土地の固定資産税評価額の調べ方は?
目次
家を建てたり購入した翌年から納付することになる固定資産税。
ここでは建物や土地の固定資産税評価額の調べ方を見ていきます。
固定資産税評価額を確認する方法は以下の3つです。
①固定資産税課税明細書(納付書)で確認する
②名寄帳(固定資産課税台帳)を取得する
③証明書を取得する
順番に見ていきましょう。
①固定資産税納税通知書(納付書)で確認する
あなたが所有する不動産の固定資産税評価額は、毎年市町村から送られてくる固定資産税納税通知書(納付書)に添付されている「課税明細書」に記載されています。
納付書は毎年1月1日時点の所有者の住所へ、4月上旬〜中旬に封筒で届く書類です。
自治体によっては、4回に分けて送付されるところもあります。
もし、既に納付が完了したために封筒を捨ててしまったような場合には、下の方法でも確認できますよ。
②名寄帳(なよせちょう)を取得する
役所で名寄帳(なよせちょう)の交付申請をすることで、所有している全ての固定資産課税台帳の写しを取得できます。
申請手数料は300円です。
固定資産税課税台帳では、
- 評価額
- 課税標準額
が確認できます。
税額を確認するには、下で紹介する「固定資産税公課証明書」の取得が必要です。
- 所有者本人
- 同居の親族で本人から依頼された人
- 本人が記名押印した委任状等を持参した代理人
③証明書を取得する
特定の不動産の固定資産税評価額のみを知りたい場合は、以下の証明書を取得することでも確認できます。
(1)固定資産評価証明書
(2)固定資産公課証明書
交付手数料はいずれも1件につき300円で、追加で請求する場合、2件目以降は1件につき100円かかります。
土地や建物が複数ある場合は追加で1件につき100円かかります。
固定資産評価証明書は、固定資産税評価額の確認のみ可能です。
固定資産公課証明書は、
- 固定資産税評価額
- 課税標準額
- 税額
の確認ができます。
- 所有者本人
- 同居の親族で本人から依頼された人
- 本人が記名押印した委任状等を持参した代理人
納付書以外では、税額の確認ができるのは公課証明書だけですね。
では、固定資産税評価額から、税額を計算するにはどうしたら良いでしょうか?
以下では、固定資産税額の計算は建物と土地で違うので、分けて説明します。
2.建物の固定資産税額の計算方法は?
目次
自分の家の固定資産税の計算方法を見てみましょう。
家屋の固定資産税額は、
①家屋の固定資産税
②家屋の都市計画税
を合計した金額になります。
①家屋の固定資産税の計算方法
家屋の固定資産税額は、以下の式で計算できます。
課税標準額✕1.4%
※新築から一定間は上記で計算した金額の半分が固定資産税額となります。
一定期間とは、
- 3年間(一般木造住宅)
- 5年間(長期優良住宅・3階建て以上の対価準耐火建築物)
- 7年間(マンション等)
です。
【家屋の固定資産税額計算の例】
課税標準額が1,000万円の家屋の場合、
- 1,000万円✕1.4%✕0.5=7万円(新築後一定期間)
- 1000万円✕1.4%=14万円(一定期間経過後)
となります。
※家屋の課税標準額は、「固定資産税評価額」と同じです。
【注意】半分になるのは120㎡までで、120㎡を超える部分は半分になりません。
家の面積が120㎡を超える場合、
- 120㎡以内の部分
- 120㎡を超える部分
に分けて計算します。
例えば、
- 税額=14万円
- 面積=130㎡
の場合、
1㎡あたりの単価
140,000÷130=1,076円
半分になる部分の税額
1,076円✕120=129,120円
129,120円÷2=64.560円
半分にならない部分の税額
1,076円✕10=10,760円
となり、一定期間の税額は合計で
75,320円となります。
②家屋の都市計画税の計算
家屋の都市計画税額は、以下の式で計算できます。
課税標準額✕0.3%
【注意】
家屋の都市計画税は、新築時の軽減措置がないため半額になりません。
【家屋の都市計画税額の計算例】
家屋の課税標準額が1,000円の場合、
1000万円✕0.3%=3万円
となります。
では、土地はどうでしょうか。
3.土地の固定資産税額の計算方法は?
目次
土地の固定資産税額も家屋と同様に
①土地の固定資産税
②土地の都市計画税
を合計した金額です。
①土地の固定資産税の計算方法
土地の固定資産税額の計算式は、以下の通りです。
課税標準額✕1/6✕1.4%
【一般住宅用地(200㎡を超える部分)の場合】
課税標準額✕1/3✕1.4%
税額計算の例を、
(1)小規模住宅用地の場合
(2)一般住宅用地の場合
に分けて見てみましょう。
(1)小規模住宅用地の場合の税額計算の例
小規模住宅用地は、面積が200㎡以下の宅地です。
固定資産税額の計算例を見てみましょう。
【条件】
- 課税標準額=1000万円
- 面積=150㎡(小規模住宅用地)
10,000,000✕1/6✕1.4%=23,333円
次に、一般住宅用地の場合を見てみましょう。
(2)一般住宅用地の場合の税額計算の例
一般住宅用地は、200㎡を超える部分のある宅地です。
この場合、
- 200㎡以下の部分
- 200㎡超の部分
に分けて計算します。
【条件】
- 課税標準額=1000万円
- 面積=300㎡(一般住宅用地)
1㎡あたりの課税標準額
10,000,000÷300㎡=33,333円
33,333円✕200㎡✕1/6✕1.4%=15,555円
【一般住宅用地(200㎡超部分)の固定資産税】
33,333円✕100㎡✕1/3✕1.4%=15,555円
合計の税額=31,110円
②土地の都市計画税の計算方法
土地の都市計画税額の計算式は、以下の通りです。
課税標準額✕1/3✕0.3%
【一般住宅用地(200㎡を超える部分)の場合】
課税標準額✕2/3✕0.3%
都市計画税額の計算例を、
(1)小規模住宅用地の場合
(2)一般住宅用地の場合
に分けて見てみましょう。
(1)小規模住宅用地の場合の都市計画税額計算の例
小規模住宅用地は、面積が200㎡以下の宅地です。
都市計画税額の計算例を見てみましょう。
【条件】
- 課税標準額=1000万円
- 面積=150㎡(小規模住宅用地)
10,000,000✕1/3✕0.3%=9,999円
次に、一般住宅用地の場合を見てみましょう。
(2)一般住宅用地の場合の税額計算の例
一般住宅用地は、200㎡を超える部分のある宅地です。
この場合、
- 200㎡以下の部分
- 200㎡超の部分
に分けて計算します。
【条件】
- 課税標準額=1000万円
- 面積=300㎡(一般住宅用地)
10,000,000÷300㎡=33,333円
【一般住宅用地(200㎡以下部分)の都市計画税】
33,333円✕200㎡✕1/3✕0.3%=6,666円
【一般住宅用地(200㎡超部分)の都市計画税】
33,333円✕100㎡✕2/3✕0.3%=6,666円
合計の都市計画税額=13,333円
目次 ~この記事に書かれていること~
この記事では税額の計算方法を紹介しましたが、税額計算の基準となる固定資産税評価額は、3年に一度見直しがあり変更されます。
実際の税額は、毎年4月頃に送られてくる固定資産税・都市計画税納付書で確認してください。
もし事前に正確な税額を知りたい場合は税務署に問い合わせるようにしましょう。
家を建てるとそこから長年に渡って固定資産税を払い続けることになります。
意外と、賃貸住宅の方が毎年の出費は少ないですよね。
持ち家(一戸建ての家)は、
- 資産になること
- プライバシーが確保しやすい
- 騒音トラブルのリスクが少ない
というメリットがある一方で、
月々・毎年の出費が大きい
というデメリットもありますね。
▶ 賃貸住宅に一生老後まで住むメリット・デメリットは?持ち家とどっちが良い?
この記事を参考に固定資産税額を把握して、計画的な生活を送っていただけたらと思います。