資金計画

借用書(個人間)の書き方をテンプレートや見本で確認!家族間は簡単で良い?

借用書書いてよと言われた時の画像

注文住宅を建てる際には、資金計画を綿密に練る必要があります。

しかし、どんなに細かく計画したとしても、後々になって出費が増えてしまい住宅ローンや自己資金だけでは足りなくなってしまうことも・・・。

また、コロナウイルスの影響で、短期的に資金が必要になることも多いですよね。

そんな時は知り合いや家族等の個人からお金を借りることになりますよね。

個人間でお金の貸し借りをする際に、口頭の約束だけでなく書類を作っておくと安心です。

今回は、個人間の借用書の書き方をテンプレートや見本で確認し、家族や夫婦の間の借用書は簡単なものでも良いのかということについて紹介します。

個人間の借用書の書き方

夫からお金借りた際の借用書の画像

借用書は主に個人間でお金の貸し借りをする際に残す書類です。

住宅ローンを組む時に使うのは

金銭消費貸借契約書(金消契約書)

ですよね。

金消契約書は銀行などの企業や団体からお金を借りる時に作るイメージですが、借用書も金消契約書も効力はほとんど同じです。

どちらもお金を借りる時に作る書類ですが、違いもあります。

借用書と金銭消費貸借契約書の一般的な違いを見てみましょう。

借用書の特徴

借用書の特徴を見てみましょう。

  • 借主が作成し、貸主が保管する
  • 1通分の収入印紙代が必要
  • 借主が独自に作成するため貸主の希望条件に合わない可能性がある
  • 貸主が紛失した場合、トラブル時に証拠書類が無くなる

貸主が紛失するおそれがあるので、借主はコピーを保管すると良いでしょう。

金銭消費貸借契約書の特徴

金銭消費貸借契約書(金消契約書)の特徴を見てみましょう。

  • 借主と貸主が協議して作成し、双方が1通ずつ保管する
  • 2通分の収入印紙代が必要
  • 貸主にとっては借用書よりも手間がかかる
  • どちらかが紛失した場合でも、もう片方が紛失しない限り証拠が残る

原本を双方が保持する場合、収入印紙代が2通分かかります。

借用書や金消契約書に貼り付ける収入印紙代は以下の通りです。

書類に記載する金額 印紙代
9,999円以下 非課税
1万円以上~10万円以下 200円
10万円超~50万円以下 400円
50万円超~100万円以下 1千円
100万円超~500万円以下 2千円
500万円超~1千万円以下 1万円
1千万円超~5千万円以下 2万円
5千万円超~1億円以下 6万円
1億円超~5億円以下 10万円
5億円超~10億円以下 20万円
10億円超~50億円以下 40万円
50億円超 60万円
金額の記載なし 200円

 
50億円超借りる時の印紙代って、60万円なんですね(^^)

個人間の借用書のテンプレート

借用書に記名押印する画像

借用書には決まった書式はありません。

文房具店などに「借用書」が売っていますが、必要な項目が入っていなかったり、逆に細かすぎたりします。

手書きでもパソコンで入力したものをプリントしたものでもOKなので、自作した方が良いと思います。

個人間の借用書に必要な項目を確認しましょう。

項目 説明
書類作成日 一番右上の端に記載します。
借主の氏名 できれば自筆での記名とするのが望ましいです。
借主の印鑑 できれば実印とし、印鑑証明書を添付するとより信頼が高まります。
借主の住所 都道府県から記載し、正確な番地を書きます。
借用金額 大字(だいじ)を用いて記載します(後述します)。
借用日 お金を借りた(借りる)日を記載します。
返済方法 一括または分割・振込または持参の別、返済にかかる費用(振込手数料等)の負担者(借主が負担するのが一般的です)等を設定します。
返済期日 返済の期限となる日を記載します。
利息 利息を定める場合は後述する上限金利に収まるように設定します。
遅延損害金 家族間等の親しい間柄の場合は定めない場合が多いです。
期限の利益の喪失 個人間の場合は定めない場合が多いです。
連帯保証人 定める場合は借主の下あるいは隣に記載します。

 

個人間の借用書に記載する金額の書き方は大字(だいじ)を使う

金額の書き方は、以下を参考にしてください。


【例】35万円の借用金額の場合

金参拾五萬円也(350,000円)

 
書き慣れない漢字ですよね。

これらは大字(だいじ)といい、金額の大きな契約書等に使われます。

なぜこのような難しい漢字を使うのでしょうか?

契約書等に大字を使うようになった背景には、

  • 「一」は縦棒を加えられて「十」にされる
  • 「1」は「11」にされる

と言った具合に、簡単な文字を使うと簡単に書類を改ざんされてしまうため、難しい漢字を使うようになったという歴史があります。

ただ、現在ではパソコンで書類を作成することが一般的で、どのような文字で表記してあったとしても改ざんしようとする人はいませんよね。

つまり、大字を使うのは慣習だということです。

大字の一覧を用意しておくので、必要な時に利用してください。

算用数字 普通の漢数字 大字 読み
1 いち
2
3 さん
4
5
6 ろく
7 しち
8 はち
9
10 壱拾 じゅう
100 壱百 ひゃく
1000 壱阡 せん
10000 まん

 

個人間の借用書に記載する金利について

個人間のお金の貸借では、借用書や金消契約書に金利を記載することができます。

記載しないと民法第587条の規定により無利息となります。

利息を定める場合は、以下の上限利息に収まるようにしてください。

元金(借用金額) 上限金利
10万円未満 年利20%
10万円以上100万円未満 年利18%
100万円以上 年利15%

 
上記上限金利は、金利制限法で定められた上限金利となります。

出資法における上限金利109.5%と混同される方もいますが、一般的な個人間のお金の貸し借りにおいては金利制限法の上限金利を超えたものは無効となるのです。

個人間の借用書の見本

ここまで説明してきた事項を踏まえた借用書の見本を見てみましょう。

借用書(個人間)の見本
借用書の記載例by家カフェ

※画像クリックでA4縦のPDFファイルを見られます。

家族間・夫婦間の借用書は簡単で良い?

個人間で借用書を交わす2人の画像

親子や夫婦など、家族間でお金を貸し借りすることってありますよね。

数万円程度の少額であれば借用書は必要ないでしょう。

作ったとしても金額と返す日・名前を記載する程度の簡単なもので良いです。

金額が大きい場合はキチンとした借用書を作成するのが一般的です。

しかし、家族間の場合は

  • 利息
  • 遅延損害金

については記載しないことが多いですね。
 

家族間で借用書が必要になるケースは、

親が子供の住宅ローンの一括返済をする

というのが代表的です。

夫婦間では、

妻の高額な化粧品通販のローンを夫が一括返済する

というケース等が考えられます。

その際、父親が息子のローンを返済したという事実が税務署に贈与と認定されてしまいます。

そのため、贈与ではなく貸借であるという証拠として借用書を作るのです。

↓借用書(家族間)の見本
借用書(家族間)の見本

※画像クリックでA4縦のPDFファイルを見られます。

また、税務署に提出する書類としては、借用書以外に、実際に返済しているという記録が必要です。

借りたお金を返済している記録の画像

金融機関ごとに違いはありますが、通帳は長い間記帳しないと明細が出るまでに時間がかかることがあるので注意が必要です。

こまめに記帳しましょう。

家族間の借金の利息は?

利息については、毎月の返済がきちんと行われていることが分かれば無利息でも元金(借入金)は贈与にはなりません。

国税庁のホームページによると利息に相当する部分には贈与税がかかる可能性があるとされています。

しかし、年間の利息額が110万円の基礎控除以下なとなる場合は無利息でOKです。

例えば、1000万円の借入で1%の金利を設定した場合、年間の利息額は95,622円で、年間110万円の基礎控除以下になります。

参考
国税庁のホームページ|贈与と税金 親から金銭を借りた場合

借用書に印紙を貼らないとどうなる?

印紙については、貼っていなくても借用書の効力には影響ありません。

しかし、印紙を貼らなかった場合は印紙代の3倍の額を徴収されてしまいます。

1000万円の借入の場合は印紙代が2万円なので、6万円徴収されることになりますね。

印紙を貼っていなかったことを自ら申し出た場合は1.1倍に軽減されるということなので、2万1000円徴収されます。

参考
国税庁のホームページ|過怠税について 印紙税を納めなかったとき
 


 
以上、今回は個人間の借用書の書き方について紹介しました。
 






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