「1,000万円で家は本当に建てられるのか?」——結論から言うと、建てられます。ただし、無駄を省いてシンプルな設計にする必要があります。
この記事では、1,000万円で建てられる家の間取り実例・平屋と2階建ての比較・住宅ローンの組み方まで、実際の設計経験をもとに整理します。
- 1,000万円で建てられる家の間取りと広さの目安
- 「標準仕様」とは何か・建材グレードの基礎知識
- 平屋と2階建て、どちらが安いか
- 1,000万円の家に住宅ローンはいくら借りればいいか
1,000万円の家の間取り
1,000万円以下で建てられる2階建て住宅の実例スペックは以下の通りです。木造軸組工法(在来工法)またはツーバイフォー工法であれば対応可能です。
| 1階床面積 | 47.20㎡(13.50坪) |
| 2階床面積 | 39.74㎡(12.00坪) |
| 延床面積 | 86.94㎡(25.50坪) |
| 工法 | 木造軸組工法 または 2×4工法 |
間取りのポイント
1・2階ともオープンな間取りで、玄関から入るとすぐにLDKの入り口があります。LDK・ダイニング・キッチンが一体となった設計です。
特徴的なのは、2階への階段をLDKの中に設けている点です。帰宅時に必ずリビングを通る動線になるため、家族が顔を合わせる機会が自然と増えます。家族のコミュニケーションを大切にした設計です。
「標準仕様」とは何か
標準仕様とは、建材グレードが中程度のものを指します。主な建材メーカー(LIXIL・パナソニック・ノダ・ダイケン・ウッドワンなど)にはそれぞれ以下のようなグレードがあります。
| グレード | 位置づけ | LIXILの例 |
|---|---|---|
| Aグレード | ハイグレード | グランドライン |
| Bグレード | ミドルグレード | ウッディライン |
| Cグレード | 標準仕様(多くの住宅会社が採用) | ファミリーライン |
| D〜Eグレード | アパート向け | — |
Cグレード(ファミリーライン)は「最低グレード」と誤解されがちですが、集合住宅向けを含めると実質的には中程度です。デザイン・質感ともに一戸建て注文住宅にふさわしい仕上がりで、実際に住んでみると十分な品質と感じる方が多いです。
1,000万円の平屋の実例
1,000万円以下で建てられた平屋の実例スペックです。
| 延床面積 | 52.17㎡(15.75坪) |
| 工事費 | 960万円(外構・浄化槽等を含む総額) |
| 工法 | 2×4(ツーバイフォー)工法 |
廊下を極力なくし、リビングを介して各部屋にアクセスできるワンルームに近い設計で、限られたスペースを有効活用しています。外構・アプローチ・浄化槽工事も含めた総額で960万円という実績のある間取りです。
平屋と2階建て、どちらが安い?
平屋の方が安いというのは誤りです。同じ床面積なら2階建ての方が安くなります。
理由は、同じ延床面積で比較した場合、平屋は建物を上から見た面積(投影面積)が大きくなるため、屋根と基礎の面積が2階建てより多くなり、その分コストが上がるからです。
| 項目 | 平屋 | 2階建て |
|---|---|---|
| 工事費(同面積比較) | 高い | 安い |
| 屋根・基礎の面積 | 大きい | 小さい |
| 工事期間 | 短い(階段工事不要) | やや長い |
| 日当たりの確保 | 周囲の建物に左右される | 2階で確保しやすい |
| 移動のしやすさ | 階段なしで楽 | 階段の上り下りが必要 |
| 老後・バリアフリー | 有利 | 不利 |
コスト面では2階建てが有利ですが、老後の暮らしやすさ・バリアフリー対応を考えると平屋に魅力があります。家族構成・土地の広さ・将来計画を踏まえて選ぶことが重要です。
住宅ローンはいくら借りればいい?
1,000万円の家を建てるとき、住宅ローンは1,000万円借りれば良いのか——これは自己資金の額によって変わります。
まず理解しておくべき点として、建物本体工事費の他に諸費用が必要です。登記費用・金融機関手数料・火災保険料などの諸費用は住宅ローンに組み込めないケースが多く、自己資金でまかなう必要があります。諸費用は150万円前後が目安(土地購入を伴う場合は150〜250万円程度)です。
住宅ローンは1,000万円で十分です。付帯工事費・諸費用を含めても500万円あれば対応できます。ただし、手元資金は普通預金などで流動性を確保しておくのがおすすめです(定期や保険は解約に時間・コストがかかるため)。
諸費用を自己資金でまかないつつ、付帯工事費も含めた金額をローンで借りる必要があります。予算がギリギリになる可能性があるため、できるだけ多めに借りて、余れば繰り上げ返済するという方法が安全です。
諸費用をまかなえないため、以下のいずれかの対応が必要です。①住宅ローンの借入額を増やす ②別途「諸費用ローン」を組む ③親族に借入する。いずれも慎重な資金計画が必要です。
まず貯蓄を増やすことを優先しましょう。毎月の支出を見直し、先取り貯蓄(貯蓄分を別口座に移してから残りでやりくりする方式)が効果的です。少なくとも250万円程度の自己資金を目標にすることをおすすめします。
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