間取り・デザイン

リビング内階段の寒さ対策にカーテンやのれんは有効?DIYはできる?

リビング階段の寒さ対策が必要な家の画像

リビング内に階段のある間取りは、家族のコミュニケーションが取りやすいことから人気があります。

しかし、冬場に冷たい空気が階段からリビングに降りてくる現象が起こるデメリットもあるのです。

この現象はコールドドラフトと呼ばれていて、多くの方の悩みの種となっています。

そこで今回は、リビング内階段の寒さ対策として幾つかの方法を紹介し、

・カーテンやのれんは有効なのか?
・DIY(自分で作ること)は可能なのか?

等を検証していきます。

リビング内階段の寒さの原因は?

リビング内に階段がある間取りでの寒さの原因について見てみましょう。

冒頭で少し触れましたが、冬場に階段から冷たい空気が降りてきてリビングに風が吹くコールドドラフトという現象があります。

コールドドラフトは主にビルなどの大きな窓際を窓に沿って降りてくる不快な冷気を言います。

住宅等の階段を降りてくる冷たい風のこともコールドドラフトといいます。

暖かい空気は軽くて上に上がる性質があるのに対し、冷たい空気は重いため下に降りる性質がありますよね。

リビングの暖かい空気が階段から2階に上がるのとすれ違うようにして、2階の冷たい空気が降りてくることでコールドドラフトが起こります。

↓階段で発生するコールドドラフトのイメージ
階段のコールドドラフトのイメージ画像

せっかく温めた空気が逃げて冷たい空気が吹いてくるのです。

これは、リビングに吹き抜けがある場合に非常に顕著で、リビングで温められた空気が吹き抜けから2階に上がり、2階の冷たい空気が押し出されるように階段からリビングに吹き込みます。

↓階段で発生するコールドドラフト(吹抜け有り)のイメージ
階段と吹抜けのコールドドラフトのイメージ画像

コールドドラフトは家全体の空気が温められるまで続きます。

冬に新築の家に引っ越した方はさぞがっかりすることでしょう。

ですが、いくつかの方法で対策できます。

リビング内階段の寒さ対策

リビング内の階段から冷たい空気が降りてくるコールドドラフトを解消するための対策がいくつかあります。

ここでは以下を紹介します。

  • カーテン
  • のれん
  • ドア・引き戸
  • その他(暖房器具・サーキュレーター)

カーテン

階段の入り口にカーテンを設置して、空気の出入りを遮断する方法があります。

カーテンは厚い生地のものを選びましょう。

薄手のカーテンは軽いので冷たい風がリビングに入ってきてしまいます。

厚手のカーテンであれば重さがあるためある程度風を防ぐことができるのです。

↓カーテン設置前の画像
リビング階段にカーテンを設置する前の画像

↓カーテン設置後の画像
リビング階段にカーテンを設置した画像

ロールスクリーンで冷たい風を遮断することもできます。

↓ロールスクリーンを設置した画像
リビング階段にロールスクリーン(黄色)を設置した画像

リビング階段にロールスクリーン(ベージュ)を設置した画像

リビング階段にロールスクリーン(茶色)を設置した画像

ロールスクリーンは裾にロールの芯があるので面がヨレにくく、カーテンよりも遮断効果が高いです。

しかし、閉じた状態で階段を行き来することが困難なので、その都度巻き上げなくてはなりません。

利便性が悪いのです。

階段は毎日何度も使いますから、できるだけ使い勝手のよいカーテンをお勧めします。

バーチカルブラインド(縦型ブラインド)もありますが、縦にたくさんスリットがあるため遮断効果が低いですから、階段の冷たい風の防止にはおすすめしません。

↓バーチカルブラインド
リビング階段にはバーチカルブラインドはスリットが多く不向きなのが分かる画像

出入りできる窓の遮光のためには、デザイン性も高く非常に有効です。

のれん(DIY可能)

リビング階段にのれんを設置した画像

リビング階段からの冷たい風を防止するにはDIY(自作)できる「のれん」も有効です。

カーテンはレールをつけたり大きさを調整したりするのが大変なので業者に依頼するほうが良いですが、のれんなら簡単に自分で取り付けできます。

布を階段の入り口に合わせて切って縁を縫い、上辺に板をあててビス止めします。

単に画びょうで付けることもできますが、裾を踏んでしまった際に、取れた画びょうを踏んで怪我をする可能性があるので避けたほうが良いでしょう。

のれんは階段の行き来に支障が無いように、柔らかめの布を使ったほうが良いです。

しかし、のれんは軽いため、床面を這うように冷たい風がリビングに入ってしまいがちですね。

ドア・引き戸

リビング階段からの冷たい風を防止する最も効率の良い方法は、ドアや引き戸を取り付けることです。

カーテンやのれんは布なので、隙間から冷たい風が漏れて、ある程度リビングに入ってきてしまいます。

ドアや引き戸は木製なので密閉性が高く、きちんと閉じていれば風はほとんど入りません。

できれば引き戸が良いでしょう。

↓引き戸を設置した画像
リビング階段に引き戸を計画して設置した画像

リビング階段にアンティーク風の引き戸を設置した画像

リビング階段にモダンなデザインの引き戸を設置した画像

使わないときは開けっ放しにしていても、壁と同化するので普段使いに影響ありません。

間取りの関係でドアにする場合は、夏場などドアを閉めない時期のことを考慮して取り付ける必要があります。

↓ドア(片開き戸)を設置した画像
リビング階段にドア(片開き戸)を設置した画像

注文住宅を建てる際は、冬のコールドドラフトを考慮した設計を依頼してくださいね。

特に、吹き抜けを希望する場合は必ずコールドドラフトが起こるので要注意です。

床暖房

床暖房は最も効率的な暖房方式で、非常に快適です。

エアコンやストーブなどの暖房機器の場合、階段からの冷たい風が吹いてくると足元を中心に冷えます。

床暖房の場合は常に床から暖気が上がっていますので、安定した温度状態を保ってくれるのです。

コールドドラフト対策に有効と言えます。

床暖房は新築時に取り入れることをお勧めします。

もちろんリフォームでも施工可能ですが、床材の上から施工し、更にその上に床材を仕上げるので床暖房をしない部分との段差が生じます。

おすすめの床暖房はヒートプラスという遠赤外線床暖房です。

↓ヒートプラス床暖房のフィルム状のシート巻
ヒートプラス床暖房のフィルム状シートの画像

コントローラーの性能が良く、プログラミングされた効率の良い温め方をしてくれるので電気代が安いです。

また、材料費や施工費も安いですよ。

遠赤外線効果があり、身体への負担がなく、寝室に取り入れると快眠が得られます。

床下に配管してお湯で温める方式の床暖房もありますが、設備費が高いのと、給湯エネルギーをかなり使うので光熱費が高くなります。

↓温水床暖房の床下配管
温水床暖房の床下配管の画像

大掛かりな工事になるため、リフォームで設置する場合は床の解体が必要です。

ストーブを階段に向ける

リビング階段にストーブを向けるのも有効な寒さ対策になります。

ホテルや病院の病室などで、窓際に暖房器具が設置されているのを見たことがあるでしょうか。

あれは、ファンコイルユニットという暖房方式で、窓に沿って降りてくるコールドドラフトを解消するのに効率の良い方法です。

↓ファンコイルユニット
ファンコイルユニットを窓際に設置した画像

リビングの暖房はエアコンを使用し、コールドドラフト対策としてストーブを使うと良いです。

しかしエアコンの電気代に加えて灯油のお金が掛かるので、他の方法が使える場合はおすすめしません。

全館空調システム

全館空調システムは、家全体の換気と空調を集中管理する空調方式です。

全熱交換器によって室外の空気と排気を熱交換しながら換気するため、冷暖房のロスが少ないため安定した空調ができます。

家中の室内温度が一定になるので、コールドドラフトも起こりにくいです。

↓全館空調の全熱交換器の内部
全館空調の全熱交換器の内部の画像

全熱交換器とビルマルチエアコンを組み合わせたシステムが一般的です。

ビルマルチエアコンは、4〜5台のエアコンに対して室外機も1台で済むため、外回りがスッキリしますよ。

↓ビルマルチエアコンの天井埋め込みカセット型を設置したところ
ビルマルチエアコンの天井埋め込みカセット型の画像

↓全館空調のビルマルチエアコン室外機
全館空調のビルマルチエアコンの室外機の画像

しかし、メリットばかりではありません。

設備費が普通の換気方式と部屋ごとにエアコンを設置するケースよりも高額です。

導入コストは40坪程度の家の場合100万円以上になるので、資金計画の段階で全館空調分の費用を入れておく必要があります。

また、故障の際には家中で空調が使えなくなるリスクがあります。

あらかじめ故障時の事を考慮して、電気ストーブやサーキュレーター(送風機)等を備蓄しておくと良いでしょう。

↓サーキュレーターの画像
全館空調の故障時対策のサーキュレーターの画像

備えあれば憂いなしです。
 


 
以上、今回はリビング内階段の寒さ対策を紹介しました。

既に建てた家のリビング階段の寒さ対策にも、これから建てる家の間取り検討にも役立つ情報になっていますので、参考にしていただければ幸いです。






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