ハウスメーカー・住宅会社

ローコスト住宅は、ハウスメーカー・工務店・設計事務所のどこに依頼するべき?

ローコスト住宅の依頼先

安く建てられるのが魅力のローコスト住宅ですが、誰に建築を依頼するのが良いのでしょうか。
候補として考えられるのは次の3つ。

・ハウスメーカー
・工務店
・設計事務所

それぞれどんな違いがあり、ローコスト住宅の依頼先としてもっとも優れているのはどこなのでしょうか? それぞれの特徴を上げながら、比較してみましょう。

ハウスメーカー

ローコスト住宅というと、それを専門に手がけているハウスメーカーをまず思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?

特に有名なのは、CMなどでも馴染みのあるタマホームや、アキュラホームなどです。

タマホームの「大安心の家」「木麗な家」は有名ですね。
タマホームのように全国展開しているローコスト系もありますが、ローコスト住宅を扱っている会社の多くは宣伝費をあまりかけていないケースも多く、一つの地域に絞って営業しているケースもあります。

例えば、熊本県のローコスト住宅としてはヒラキハウジングが有名ですが、他の地域ではほとんど知られていません。

価格は坪単価30万円ほどから。
上手に立てれば1000万円台で一軒家が建てられます。

ローコスト系のハウスメーカーの強みは材料費のコストカットがしやすいことです。
設備の選択肢を減らしてその分大量入荷しやすくしたり、他の会社と協力して材料をまとめて仕入れてコストカットしたりしやすいです。

ただしその分自由度が制限されているケースも多く、追加料金を支払わないと壁紙が選べなかったり和室をつくれなかったりなどのルールが存在します。

パワービルダー系

ハウスメーカーの中には「パワービルダー系」と呼ばれるものがあります。飯田産業や東栄住宅などが該当します。

パワービルダー系のハウスメーカーでは、注文住宅以外に建売住宅を取り扱っている会社も多いです。
大きな土地を切り分けて、そこにまとめて家を建てて販売します。

似たつくりの家をまとめて建てるため、注文住宅よりも遥かに効率よく家が建てられます。
価格が安いだけでなく短期間で建築されるのもポイントです。

ただしその反面で自由度は非常に低く、自分好みの住宅を実現するのは難しくなります。

工務店

工務店とハウスメーカーを分ける明確な定義はありませんが、比較的狭い地域に限定して営業している住宅会社を工務店と呼ぶことが多いです。

工務店の多くは大工や建築士などの職人集団です。
お客さんと現場の距離が近いのが魅力で、工務店選びは直接現場で作業する人を選ぶことにもつながります。
ハウスメーカーや建築士に依頼した場合でも、実際に現場で作業するのは下請けの工務店です。実際に作業する人をチェックできるという点では、工務店に大きなアドバンテージがあります。

ハウスメーカーと比べると知名度はありませんが、価格は安く、規格やルールに縛られにくいぶん自由度も高いです。腕の良い職人を見つけることができれば、ローコストながら素晴らしいマイホームを建てられます。

ローコスト住宅に限らず、工務店で家を建てる場合のネックはアフターサービスです。

快適な住宅をキープするためには、定期的な点検やメンテナンスが必要です。
賃貸やマンションと違い、一軒家は自分で家の管理をしなければなりません。

外壁や屋根は数十年ごとに塗り替えや吹き替えが必要ですし、設備も時間が経てば交換しなければなりません。
大手ハウスメーカーの場合、そうした点検やメンテナンスに関するスケジュールも準備されており、必要時期が迫ると案内が来たり、業者の手配を行ってくれたりします。
高いと感じる大手ハウスメーカーの住宅価格には、こうしたアフターサービスの費用も含まれているのです。

しかし規模の小さな工務店が手厚いサポートをするのは難しいです。
キャパシティの問題もありますが、20年後、30年後にその工務店が残っているのかという問題もあります。

工務店によるアフターケアが期待できない場合、点検やメンテナンスの計画は自分で考えることになります。
打ち合わせの際に、点検が必要な場所と頻度、内容、金額などを聞いておきましょう。

設計事務所

設計事務所やデザイナーによる住宅というと、自由で奇抜な住宅を建てられるかわりに、高級になってしまうというイメージがあります。

しかし、自由度が高いということは、安くすることも可能だということでもあります。
建築のプロに頼めば、自分の望み通りの住まいを叶えつつ、安く建てることもできるのです。

一口に建築家と言っても得意分野は人それぞれです。
いかにも「デザーナーがつくりました」という印象の個性的な住宅が得意な人もいれば、商業施設の建築が得意な場合もあります。
ローコスト住宅を依頼するのであれば、安く家を建てるコツを知っている人に依頼しましょう。

設計事務所に依頼する際の問題点は、時間がかかりやすいということです。

要望通りの家にするには何度も打ち合わせを行うことになります。
また、要望を叶えつつコストカットを実現するためには考える時間も必要です。
人気の建築家ほどたくさんの依頼を抱えているため、待ち時間も長くなります。

通常、注文住宅の購入にかかる時間は半年から1年ほどですが、建築家に依頼した場合はもっと時間がかかります。
長い人になると一軒の家ができるまで3年もかかることもあります。

時間がかかれば当然お金もかかります。
家が建つまでに暮らす家の家賃や、土地の固定資産税は時間が伸びれば伸びるほど多くかかります。
設計や建築に時間がかかるあまり、普通のハウスメーカーに依頼するのと同じぐらいお金がかかってしまったのでは意味がありません。

設計事務所に依頼する場合、所要時間も含めたコスト管理が必要になります。

自分にあったローコスト住宅を選ぶことが大切

ローコスト住宅というと、安いけれど質の悪い住宅という想像をしてしまいますが、実際にはローコスト住宅にも色々なタイプがあります。
ともかく早く安く家を建てて売ることを重視していることもあれば、時間をかけて安く良い家をつくることを目標にしている会社もあります。

また、安く家を買うことを考える際、注目すべきなのは建物の値段だけではありません。家を建てた後にかかるメンテナンスの費用や、時間をかけることによって発生するコストについても考慮する必要があります。
目の前の価格に惑わされることなく、広い視野で考えることが大切です。






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