土地・不動産関連

旗竿地のメリット・デメリット! 失敗しない土地の探し方は?

旗竿地は敷地延長のある土地のことです。

公道から離れた位置に土地の本体があり、そこから道路に向かって細い通路のような敷地を延長してあります。ちょうど旗と竿のような形に見えるため「旗竿地」と呼ばれています。

旗竿地は普通に道路に面している土地に比べて安価ですが、「買わないほうが良かった」という購入者の後悔も非常に多いです。

今回は、旗竿地のメリット・デメリットと、どんな点に注意して購入すればよいのかを解説します。

メリット1 低価格で良い土地が手に入りやすい

旗竿地は周辺の土地に比べて安いです。

旗竿地の手前にある普通に道路と接している住宅に比べ、300万円から400万円ほど安いケースもあります。
また、旗竿地は住宅密集地に多いため駅やスーパーなどへのアクセスが良い好立地の物件が多いです。

好条件の土地を見つけるのは想像以上に大変です。

立地もよく、形も良い土地というのはそうそう見つかるものではありませんし、例え見つかったとしても驚くような値段がつけられています。

ただ、旗竿地が安いのには理由があります。安易に値段だけで決めてしまうのは危険です。

メリット2 大きな建物を建てやすい

敷地にどの程度大きさの建物をつくれるかは、接している道路の状況が影響します。

建築物には道路斜線制限というルールがあり、道路に近い建物の高さには制限が設けられています。

これにより、高い建物をつくれなかったり、総二階にできず、二階の一部を削らざるを得なかったりします。

しかし、旗竿地は道路から建物が離れているため、道路斜線の影響は受けません。

もちろん建ぺい率や容積率による制限は受けますが、周囲の土地に比べるとスペースを最大限に活用しやすいです。

メリット3 駐車スペースを確保しやすい

旗竿地の場合、住宅が建てられるのは旗にあたる土地の本体だけです。

延長した竿の部分は幅が狭く、建物をつくるのは非現実的です。

竿の部分は一見無駄なスペースに思えますが、駐車場にするにはちょうどよい大きさです。

四角い土地に建物と駐車場をつくるとなると、家を凹ませて車のスペースにするか、建物を端に寄せて駐車場にするかのどちらかになります。

家をできるだけ広くするためには家を欠けさせて車を置くのが一番です。しかし、建物の形は四角に近ければ近いほど丈夫になりやすく、しかも経済的です。

このように、きれいな形の土地にも悩みはあります。

旗竿地であれば旗の部分に家を建て、竿の部分に車を停めれば良いので、土地の配分に悩むことはありません。

メリット4 道路から家が離れている

旗竿地の住宅は道路から離れた奥まった位置にあります。
道路を通る車の音や人の話し声に悩まされにくく、静かな環境が期待できます。

また、周囲を他の住宅に囲まれているため、道路から家の内部が見えてしまうこともありません。

家の中やベランダが不特定多数の目に晒されにくいというメリットがあります。

デメリット1 風通しと日当たりが悪い

旗竿地の住宅は周囲を建物に囲まれるため、日当たりや風通しが悪くなりやすいです。

旗竿地を購入する場合は、土地の南側に何があるかがとても重要になります。

高い建物があって十分な日照が期待できそうもないなら避けたほうが無難です。

洗濯物は乾燥機を使うから問題ないと思うかもしれませんが、日が当たらないと湿気が溜まりやすく、カビが発生しやすくなります。

さらに、日光に当たらない生活は心にも悪影響をおよぼします。

日当たりの確保には2、3mほどのスペースが必要になります。

天窓をつけたり、リビングを吹き抜けにして採光を確保したり、二階にリビングをつくるのも効果的です。

デメリット2 工事費が高くなりやすい

安く購入できるのが魅力の旗竿地ですが、工事費は高くなりやすい傾向にあります。

電気や水道、ガスなどのインフラにかかる工事費は引き込み距離によって変わります。

奥まった旗竿地の場合こうしたインフラ工事費が高くつきやすいです。

建物の建築費も高額になるケースがあります。
間口が狭すぎると奥まで重機やトラックが入れず、手作業で行ったり小さな重機で代用したりする必要があります。

このような場合人件費がかかるだけでなく、工事期間も長くなります。

特に購入した土地に古い家が残っており、解体工事が必要になる場合は要注意です。

解体工事には大型の重機と廃棄物を運び出すトラックがかかせません。

重機が使えない場合、解体費用は通常の倍近くにも膨れ上がります。

デメリット3 狭すぎる間口には使いみちがない

駐車スペースや小さな庭、ちょっとした物置に使われることの多い旗竿地の竿の部分ですが、あまりに幅が狭いと使いみちがありません。

建売住宅の場合、間口は2.5mから2.7m程が一般的です。

しかしこの幅、車を停めるにはギリギリです。

単純に車を停めるだけなら2.5mあれば十分ですが、旗竿地の場合は駐車スペースの後ろに家があります。

家に入るためには車の横を通っていかなければなりません。
しかも、2.5mというのは敷地の幅ですから、実際には塀などでもっと幅は狭くなります。

間口の幅が狭すぎると荷物を持ったり自転車を押したりしながら車の横を通るのが難しくなります。

車を停められるかどうかだけでなく、横を通れるかどうかもよく考えておきましょう。

デメリット4 近隣トラブルにあう確率が上がる

旗竿地は周囲が建物に囲まれており、隣接する家の数も多いです。
敷地の境界の確認など、売却時に問題が起きやすくなります。

日常生活の中で発生するトラブルにも要注意です。

騒音や臭いなどの問題も、隣接する家が増えれば増えるほど確率は上がります。

賃貸であれば、隣人が変わる可能性も高いですし、どうしても気が合わないなら引っ越せば解決します。

しかし、持ち家ではそういうわけにもいきません。
いくら近所付き合いが希薄になってきているとはいっても、近くの家との関係は快適な生活のために重要です。

デメリット5 売りにくい

一生モノだと思って購入したマイホームでも、人生何があるかわかりません。

転勤による引っ越しに迫られたり、親の介護のために実家に帰らざるを得なくなったりするかもしれません。

どうしても住宅を手放さなくてはならなくなった時、売りにくい旗竿地の住宅は厄介です。

旗竿地の不動産価値というのは非常に低いです。周囲の土地の半分ほどしかありません。

不動産の価値というのは、主に道路と間口によって決まります。周囲の土地に比べて間口の狭い旗竿地は価値が低く、なかなか買い手がつきません。

運よく買い手が見つかっても、売値はよくて買値の半分、4割ほどになる場合もあります。

旗竿地の場合、購入額よりも高く売れることはありません。

旗竿地の場合、一生そこに住める覚悟があるのか、手放す時の手間や損を受け入れられるかどうかがポイントになります。

ちなみに接道が2m未満(3mの場合もある)の土地には建物をつくることができません。

古い基準で建てられた住宅の中には接道義務を果たしていないものもありますが、こうした土地の場合、一度建物を壊したら二度と建物をつくることはできません。

土地の価値もほぼゼロ、維持費や手放す手間を考えればマイナスといっても過言ではありません。

新築住宅のための土地を探しているのならほぼ問題ありませんが、中古物件を探している場合には注意しておきましょう。

旗竿地安いがデメリットも多い

利便性の良い土地を安く購入しやすいのが魅力の旗竿地ですが、不便な面も多いため購入時は注意が必要です。

特に工事費用が高くなりやすい点には気をつけましょう。
お得だと思って購入したにもかかわらず、解体費用や工事費がかさんでしまい、トータルで考えると高くついてしまうことも少なくありません。

最大のメリットである安さを享受できないのなら、わざわざ旗竿地を選ぶ理由はありません。

旗竿地を購入する際は、購入前にハウスメーカーや工務店に工事費について相談し、全体でどのぐらいのお金がかかるかを把握するようにしましょう。






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