寝室の照明器具は注文住宅の打ち合わせにおいて、あまり重要視されない傾向にあります。
部屋の出入り口にオンオフのスイッチがあって、天井の真ん中に大きめのシーリングライトが取り付くケースが多いです。
しかし、住んでから不満が出るのも寝室が多いですね。
寝室の照明器具が普通のシーリングライトだと、
- 寝る前にしては明るすぎる
- 消した瞬間に暗すぎる
という両極端さがありますよね。
その中間のちょうどいい明るさを求める場合、間接照明を使うのが良いです。
今回は、間接照明のテクニック(種類)と、家電として設置できるおしゃれなスタンドタイプのおすすめ間接照明を紹介します。
1.寝室に最適な間接照明の種類は?
間接照明とは、光源から出た光が直接目に入らない作りの照明器具のことです。
一度反射させることによってソフトな明かりにする方法ですね。
一口に間接照明と言っても、色々なやり方があります。
主なものは以下のタイプ4タイプです。
順番に紹介しますね。
①コーブ照明
コーブ照明は、天井に反射させた光を利用する方式の間接照明です。
部屋全体を柔らかく照らします。
寝るときに上向きに寝ていても眩しくありません。
そして部屋全体を程よく照らすので、べっどから離れて少し歩く際にも足元を探る必要もなく安全です。
↓コーブ照明のしくみ
窓の上端と高さを揃えたライトデッキに、15センチほどの立ち上がりを作ります。
寸法を適当にしてしまうと、部屋の離れた場所からは光源が少し見えてしまう可能性があるんです。
そのためデッキの出寸法と立ち上がり寸法は、展開図を作成して確認しましょう。
↓出寸法・立ち上り寸法の解説画像
展開図とは、部屋の壁を正面から見た図面で、家具やドアの高さ関係を確認するものです。
一般的に、各部屋の四面すべて展開図を作ります。
170cmくらいの横向きの人を図面上に配置して、目の位置から光源まで直線を引くことで、立ち上がりがどのくらいあれば光源が見えないかが分かりますよ。
②コーニス照明
コーニス照明は壁に反射させた光を利用する方式の間接照明です。
壁一面照らし、ムーディーな雰囲気を作るのに最適です。
手元周辺を照らすのに向いていて、局所照明に近いですね。
ベッドに近い場所と、少し離れた場所に設置することでちょっとした移動に対応できます。
照らす壁をタイル等の凹凸のある仕上げにしておくと、影によって深みのある柄となり朝・昼との変化が生まれます。
↓コーニス照明のしくみ
壁から200mm程度手前に垂れ壁を設け、中に照明器具を仕組みます。
光源がベッドから見えないように垂れ壁の下端に折り返しを付けると完璧です。
天井全体を下げて、端をくぼませることでも同じ効果を出せます。
③造作家具上照明
コーブ照明の家具上設置バージョンですね。
家具の設計の際に遠目から見た場合に光源を隠すように、家具前面の上端に「立ち上がり」を設置する必要があります。
↓造作家具上照明のしくみ
コーブ照明と同じように、部屋の展開図を作って目線を設定し、光源が見えない位置と高さを確認しておくと良いです。
④造作家具下照明
床に反射させるタイプの間接照明です。
家具上設置タイプを上下ひっくりかえしたイメージですね。
床を照らすため夜中でも歩きやすいです。
↓造作家具下照明のしくみ
家具下の場合はきちんと奥に設置すれば光源が目に入ることはそうないですね。
しかし、床に横になって過ごすことが考えられる部屋の場合は家具の前面の下端に垂れ壁を設けるほうが無難です。
⑤間接照明の本体とは?
間接照明の本体は、直管蛍光灯が広く使われています。
しかし、切れた際の交換が面倒なことと省エネを考慮して、最近ではLEDの長いタイプの照明器具が使われるようになってきています。
値段はかなり高いですが、やはりメンテナンス性やランニングコストを抑えることを考慮すると、LEDにしておくほうが良いですね。
照明器具メーカー大手のオーデリックでは以下の機種が該当します。
- OL 251 915(長さ1200mmタイプ)
- OL 251 917(長さ900mmタイプ)
- OL 251 919(長さ600mmタイプ)
これらの長さを組み合わせて、できるだけ器具と器具の隙間が開かないようにしたほうが良いです。
明るさのコントロールのため、調光できるスイッチを選択してください。
↓調光機能付きのスイッチ(オーデリックLC213)
設置には技術が必要なので、依頼する住宅会社や電気屋さんに相談しましょう。
2.寝室に最適な間接照明のおしゃれなスタンドタイプのおすすめ
アパートや既存の家の寝室に間接照明を設置したい場合、スタンド型の間接照明が最適です。
上で紹介した「建築化照明」の場合、
- 建築工事(照明器具本体を隠すため)
- 電気工事(配線の裏取りのため)
が必要となります。
お金と時間がかかるんですよね。
また、工事中は寝室では寝ることができない可能性も高いです。
そこでおすすめなのは、スタンドタイプのアッパーライトです。
アッパーライトとは、上向きの照明器具のことです。
アッパーライトを選ぶ際に注意点があります。
- ベッドから手が届くこと
- 眩しくないこと
ですね。
寝室の主な用途は眠ることですから、つけたり消したりする際にベッドから出て歩くのは嫌ですよね。
また、徐々に眠くなって照明を消す際に直接光源をみると目がチカチカして不快です。
そのため、ベッドから手を伸ばしてスイッチをオンオフできることが大切です。
スタンドタイプなら持ち運び可能ですし、万が一コンセントが遠くても延長コードで対応できます。
また、照明を消す際に光源が直接目に入らない器具を選びたいところですね。
以下の照明器具はシェード部分が透過性のないタイプでおすすめです。
↓シスベックアッパーリモート
ベッドから見上げても光源が目に入らないため眩しくありません。
寝る前に読書したい場合は、セットになったスポットライトを使用できます。
また、下の画像のような透過性があるタイプでも直接光源を見るわけではないので、眩しくはないですね。
↓シェードに透過性のあるタイプ(IKEA)
注文住宅や既存の家に建築化照明として付けるテクニックと、家電として設置するタイプの両方を紹介しました。
快適な寝室をつくる参考にしていただければと思います。