シングルマザーからしたら、持ち家なんて夢のまた夢と諦めていませんか?
住宅は高価な買い物、日々の家賃を支払うので手一杯なのだから、家なんて到底買えるわけがないと考えているかもしれません。端から選択肢に入っていないという人も多いでしょう。
しかし、母子家庭でも家を建てている人はいますし、住宅ローンを組むこともできます。持ち家には賃貸にはない様々な選択肢があります。
◯実家ぐらしがベストとは限らない
家賃を節約したり、子どもの面倒を見てもらったりするために実家で暮らしているシングルマザーも多いです。
親に子どもの面倒を見てもらえれば安心して仕事にいけますし、家賃もかかりません。生活費の援助も受けられますし、家事の負担も減ります。
ただ、実家ぐらしにはデメリットもあります。
まず、自治体から支給される児童扶養手当がもらえなくなる場合があります。
児童扶養手当はひとり親の世帯に対して支給されるものですが、金額は世帯所得に応じて決まります。同居している親の収入によっては、受給額が減ったり、もらえなくなったりしてしまいます。
他にも、親が面倒を見ていると保育園に入りにくくなったり、保育料が高くなったりします。
また、親と子育ての方針で揉めてしまったり、甘欠かされてしまったりする可能性もあります。
長時間預けるのが難しかったり、熱を出したりしやすい子どもの小さいころはメリットの方が大きいですが、子どもが成長してくると不便な部分も目立つようになります。
◯持ち家のメリット
住宅は資産になる
不動産を購入すれば財産になります。
家賃は払い続けても自分のものにはなりませんが、住宅ローンなら最終的に家は自分のものになります。
万が一自分に何かあった時にも子どもに残すものがありますし、不動産を担保にお金を借りることもできます。子どもの教育費のためにローンを組む際も、不動産があると審査で有利になりやすいです。
パーソナルスペースを確保しやすい
家賃を抑えるために1DKや1LDKの家に住んでいる人も多いですが、子どもが大きくなった場合は勉強部屋の確保が必要になります。
部屋の多い物件に引っ越せば家賃が高くなってしまいますが、思春期の子どものためにはパーソナルスペースが必須です。
持ち家になれば、子ども部屋の確保も、自分のためのスペースも確保しやすくなります。
賃貸より安いこともある
家の購入代金は住宅ローンで支払うことになるため、実際の支出は毎月の返済額分になります。
返済金額は借入額と期間、金利によって異なりますが、月々の家賃とあまり変わらない金額になることが多いです。
子ども部屋の確保のために広い物件で10万円近い家賃を払っている場合は、家賃よりも住宅ローンの返済額の方が安くなることもあります。
住宅ローンの返済については、簡単にシミュレーションできるため、一度チェックしてみるのがおすすめです。毎月の返済額ベースで考えれば、思っているよりも無理な金額ではないことが分かるはずです。
ただ一つ注意しておいて欲しいのが、持ち家の場合は家の修繕やメンテナンスも自分で行わなくてはならないということです。住宅設備は10年を目安にメンテナンスや交換が必要になるものが増えていきます。外壁や屋根などの塗り替え・葺き替え工事も必要になります。家を買ったらローンの支払とは別に、こうした維持費用を毎月自分で積み立てておく必要があります。
児童扶養手当も受け取れる
家などの不動産を持っていても、児童扶養手当は継続して受け取ることができます。
また、会社によっては住宅手当が出ることもあります。家を買うなら手当などの制度をフル活用しましょう。
◯住宅ローンは組める?
結論から言えは、シングルマザーでも住宅ローンは組めます。
ローンを組む時にチェックされるのは主に以下の4点。
・年収
・完済時の年齢
・勤続年数
・雇用形態
銀行や信用金庫に相談する際、シングルマザーと告げると不安そうな顔をされるかもしれませんが、継続安定した収入があれば問題ありません。派遣社員や契約社員などの非正規雇用でも、収入があって勤続年数が長ければ住宅ローンを組めることもあります。
必要な収入
一般的に、住宅ローンを組むためには最低でも200万円の年収が必要だとされています。
ただ、これは組めるというだけで「組んでも大丈夫」というラインではありません。
せっかくローンを組んで家を買っても、毎月返済に追われて生活をギリギリまで切り詰めるようでは台無しです。
毎月の家計の状況と照らし合わせ、無理の範囲で返済できるかどうか考えながら借入額を決めてください。
団体信用生命保険
団体信用生命保険(団信)はローンを組んだ人が死亡や重い病気・怪我などで返済が困難になった時、残りのローンを支払ってくれるものです。
団信に加入しなくても組める住宅ローンはありますが、シングルマザーの家庭なら団信への加入は必須と言って良いでしょう。
当然、団信への加入は健康な人しかできません。年を取れば取るほどハードルが上がることになるため、ローンを組むなら若くて元気なうちの方が有利です。
◯貯金はどのくらい必要?
一般的に、家を建てる際は総費用のうち2割の自己資金を用意するのが良いと言われています。
購入金額が2,000万円とすると、400万円ということになります。
頭金なしでも組める住宅ローンはありますが、できれば1割超でも頭金を用意することをおすすめします。
まず、頭金のない住宅ローンは金利が高いです。毎月の返済も高くなります。当然、頭金がなく借入額な大きくなればリスクも大きくなります。
貯金が足りないという場合は、すぐに無理をしてローンを組むよりも、生活費を節約するなどして数年の間貯金をするのも選択肢です。
◯どんな間取りがおすすめ?
母一人子一人という家庭なら、あまり広い家である必要はありません。大きすぎる家よりは、コンパクトな家の方が価格を抑えられますし、掃除の手間も少なくなります。
ただ、子どもと親それぞれのプライバシーを確保するために、最低でも2LDKは欲しいです。子どもが2人いるなら3LDKがベストです。
もし予算の都合で子ども一人ひとりに個室を与えることが難しいなら、パーティションや家具を使ってそれぞれの空間を確保すると良いでしょう。
◯シングルマザーでも家は買える
母子家庭であっても、継続した収入さえあれば住宅ローンを組むことができます。家を持つことによって手当が打ち切られてしまうこともありません。
家を買えばそれは財産になり、ローンを組む時にも有利になります。子ども部屋などのパーソナルスペースも確保しやすくなり、子どもの成長・発育にとっても良い影響を及ぼします。