1000万円で家を建てるには、無駄を省いて構造的にシンプルに設計する必要があります。
小さくても凝った作りにしてしまうと1000万円では収まらなくなります。
間取りによっても1階と2階のバランスや配置が悪いとコストはグッと上がってしまいます。
そこで今回は1000万円で建てることができる家の間取りと平屋の実例を紹介します。
具体的に予算1000万円で家を建てる方法を教えてほしいという方は、スーモカウンターの無料相談や講座の利用がおすすめです。
また、後半では1000万円の家を建てるための住宅ローンは1000万円で良いのかどうか、ということについても触れています。
1000万円の家の間取り
1000万円の家の間取りとはどんなものなのか知りたいという方が多いです。
ここでは1000万円の工事費で建てることができる間取りを紹介します。
これは、某住宅会社の企画で私が設計させていただいた家です。
構造は
- 木造軸組工法(木造在来工法)
- 木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)
のいずれかであれば1000万円以下で建築することができるはずです。
面積は以下の通りです。
2階床面積:39.74㎡(12.00坪)
延床面積:86.94㎡(25.50坪)
間取り解説
間取りの解説をします。
1階2階ともオープンな間取りになっています。
玄関から入ってすぐにリビングの入り口があります。
リビング・ダイニング・キッチンが一体となった形になっていますね。
玄関から一度LDKを通って階段で2階に上がる動線になっています。
家族の在宅時には帰ってきた人が顔を合わせずにそのまま2階の自分の部屋に入ってしまうというのを防ぐ目的があるのです。
コミュニケーションに配慮した間取りになっているということですね。
家具が載っていますが、一般的に本体工事に家具は含まれません。
付帯費用として家具購入費も資金計画表に見込んでおくことをおすすめします。
参考記事
▶ 注文住宅の予算オーバーとならない資金計画の立て方!土地から探す場合も
この間取りは仕様によって1000万円よりも高くなる可能性があります。
あくまでも、「標準仕様」で建築した場合に1000万円で建てることができると考えて下さい。
「標準仕様」とは何か
標準仕様とは建材のグレードが中くらいのもののことです。
日本のハウスメーカーや住宅会社が扱っている主な建材メーカーは以下の通りです。
- リクシル(LIXIL)
- パナソニック(Panasonic)
- ノダ(NODA)
- ダイケン(DAIKEN)
- ウッドワン(WOODONE)
- 永大産業(EIDAI)
他にも阿部興業やサンワカンパニーといったメーカーもあります。
これらの建材メーカーにはそれぞれ以下のようなグレードがあります。
- 戸建住宅用
- AAグレード
- Aグレード
- Bグレード
- Cグレード
- アパート用
- Eグレード
- 戸建住宅用とアパート用の中間
- Dグレード(Cグレードと同等)
この中のCグレードを標準仕様として提案する住宅会社が多いです。
一般的には最低グレードだと認識されてしまいますが、実際には集合住宅向けの商品を含めば真ん中くらいのグレードと言えます。
建材大手LIXILを例に出すと、
- Aグレード=グランドライン
- Bグレード=ウッディライン
- Cグレード=ファミリーライン
となります。
アパートに住んだことがある方で新築注文住宅で標準グレードとしてLIXILのファミリーラインを採用された方であれば分かりますが、ファミリーラインは決して安っぽい商品ではありません。
デザイン・質感ともに一戸建て注文住宅にふさわしいと感じられる商品ですよ。
1000万円の平屋の実例
1000万円で建てた平屋の実例を見てみましょう。
↓1000万円で建てられた平屋住宅
こちらは私が設計させていただいた平屋住宅です。
背景写真と立体の合成画像ですが、実在しています。
構造はツーバイフォー工法です。
↓1000万円の平屋住宅の間取り
間取りはコンパクトにまとまっていますが、広く感じられるようにできるだけワンルームに近い形としました。
廊下を極力なくし、リビングを介してその他の部屋にアクセスできるようにすることで、限られたスペースを有効活用しています。
面積は52.17㎡(15.75坪)です。
工事費は960万円でした。
この金額は、間取り画像にも載っている濡れ縁や、アプローチ、浄化槽などの外部工事も含んでの価格です。
施工したのは木造住宅を中心に活動している一般的な工務店です。
全国のどこで建てても、1000万円以下で建てられる間取りとなっています。
平屋と2階建てはどちらが安い?
平屋の家と2階建ての家は、平屋の方が安いと思っている方が多いですが、誤りです。
2階建ての家の方が安いです。
理由は、同じ延床面積で比較した場合、平屋の方が屋根と基礎の面積が大きくなるからです。
図で見ると分かりやすいですよ。
※奥行きは無視して下さい
このように、床面積が同じでも、投影面積(上から見た時の面積)が大きくなる平屋の方が、屋根・基礎ともに大きくなり、その分工事費も高くなるのです。
平屋と2階建てのメリット・デメリット
- 1 1000万円の家の間取り
- 2 1000万円の平屋の実例
- 2.1 平屋と2階建てはどちらが安い?
- 2.2 平屋と2階建てのメリット・デメリット
- 3 1000万円の家の住宅ローンは1000万円で良いの?
平屋の家と2階建ての家のメリット・デメリットを見てみましょう。
平屋の家のメリット
- 階段が無いため家の中の移動が楽
- 見た目の安定感がある
- 工事の期間が短い
高さが低いため外壁や屋根の工事が安全・早く終ることと、内部の大工工事で手間のかかる階段の工事が無いため。
平屋の家のデメリット
- 同じ床面積の2階建ての家と比べて工事費が高くなる
- 日当たりが悪い土地では不利
2階建ての家の場合は2階部分で日当たりを確保しやすい - 高さが低いため小さく見える
2階建ての家のメリット
- 材料や施工の効率が良く、同じ面積の平屋よりも工事費を安くすることができる
- 高さが高いため大きく見える
- 2階部分は日当たりを確保しやすい
2階建ての家のデメリット
- 敷地への給水管が細い場合、2階の水圧が弱くなる可能性がある
- 平凡なデザインになりがち
1000万円の家の住宅ローンは1000万円で良いの?
- 1 1000万円の家の間取り
- 2 1000万円の平屋の実例
- 3 1000万円の家の住宅ローンは1000万円で良いの?
1000万円の家を建てるために、住宅ローンは1000万円借りれば良いのか?
ということですが、
家づくりに充てられる自己資金の額
によって変わってきます。
家づくりに充てられる自己資金
家づくりに充てられる自己資金の額によって、住宅ローンでの最適な借入金額が変わってきます。
- 自己資金が500万円ある場合
- 自己資金が250万円ある場合
- 自己資金が100万円以下の場合
- 自己資金が0円の場合
自己資金が500万円ある場合
自己資金が500万円ある場合は、1000万円の家を建てるための住宅ローンは1000万円で十分です。
通常は、付帯工事費や金融機関諸費用等を含めても500万円あれば足りるので。
ただし、資金にゆとりがある場合でも、可能な限り長期のローンを組んでおくことをおすすめします。
月々の収支にもよりますが、手元にいつでも使うことが出来るお金をできるだけ多く確保しておくことは、「もしも」の時のリスクを軽減できるからです。
定期預金や保険よりも、銀行に普通預金として預けるか、現金を手元に置いておく方がより良いと言われています。
定期を解約するのに時間がかかったり、手数料や保険の解約返戻金等で元本割れなど、損になってしまったりするからです。
自己資金が250万円ある場合
自己資金が250万円ある場合、付帯工事費を含んだ金額を住宅ローンで借り入れした方が良いです。
一般的には工事費意外にかかる登記費用や金融機関手数料・火災保険料等(諸費用)は住宅ローンに含むことはできません。
そのため、諸費用を自己資金でまかなう必要があるのです。
諸費用は150万円程度かかります。
※土地を購入する場合は150~250万円程度になることが多いです。
さらに付帯工事費がかかってきますから、自己資金ギリギリか少し予算オーバーとなる可能性がありますよね。
予算が余れば、後で借入額を減らすか繰り上げ返済すれば良いので、住宅ローンは出来るだけ多く借りておくのが安全だと言えます。
自己資金が100万円以下の場合
自己資金が100万円以下の場合は、諸費用をまかなうことが出来ないので、以下のいずれかの対策をする必要があります。
- 住宅ローン借入金額を増やす
- 別途、諸費用ローンを組む
- ご両親等にお願いしてお金を借りる
自己資金が0円の場合
自己資金が0円の場合は、上記の100万円以下の方と似ていますが、まずお金を貯める努力をした方が良いです。
月々の支出をきちんと管理し、無駄なものがないか確認してみてください。
また、毎月残ったお金を貯蓄するのではなく、まず貯蓄分を別口座に移し、残りでやりくりする方式にするとお金を貯めやすくなると言われています。
ぜひ実践してみて下さい。
1000万円の家を買う際に住宅ローンを1000万円借りる場合は、少なくとも250万円の自己資金を用意しておくことをおすすめします。
具体的に予算1000万円の家を紹介してほしいという方は、スーモカウンターの無料相談を利用するのがおすすめです。