ヘーベルハウスは鉄骨の骨組みや厚い外壁が特徴の高級住宅メーカーですが、ホームページ上に「60年間メンテナンスフリー」と記載していることが少し問題視されています。
2013年頃から指摘されていました。
カタログ等に保証期間などの記載が無いことから、契約後にトラブルとなるケースもあるんです。
メンテナンスフリーって、メンテナンス価格がゼロということなんでしょうか?
もしお金がかかるとしたら、メンテナンス価格はいくらなのか?
かなり疑問ですよね。
そこで今回は、ヘーベルハウスのメンテナンス価格はいくらかかるのかについて見ていきます。
事前に知っておくとスムーズに打ち合わせができるはずですよ。
1.ヘーベルハウスのメンテナンスの価格は?
ヘーベルハウスの家は鉄骨造とヘーベル板という気泡気泡コンクリートの外壁の組み合わせによる構造が特徴です。
鉄骨の骨組みにはオリジナル制振部材が使われており、特殊な構造になっていますね。
↓ヘーベルハウスの制振部材「ハイパワードクロス」
この部材によって地震時の揺れを軽減しているんです。
- 骨組み
- 基礎
- 雨漏りに関する部分
のメンテナンスは20年間の保証があるため無償修理となります。
外壁材は一般的なALC(気泡コンクリート)が使用されているので他社による塗装工事は可能だと考えられます。
屋上やベランダには防水シートが使用されていて、劣化した際には重ね張りの工事が必要ですね。
↓屋上の防水シートの施工
賢者の防水も有名ですね。
問題は外壁材の劣化ですね。
外壁材や屋根、ベランダ・屋上の防水は、太陽の紫外線や雨水によって表面の膜が劣化します。
ヘーベルハウスの骨組みや基礎などの構造部分は特殊なため他社での修理はできませんが、外壁材や屋根、インテリアなどは一般的な仕組みなので他社でも修理可能です。
ただし、ヘーベルハウスのロングライフプログラムで推奨している期間にヘーベルハウスによるメンテナンスを受けない場合、中古住宅として売る場合の値段が極端に安くなるか、ヘーベルハウスの「ストックヘーベルハウス」という中古ブランドで取り扱ってもらえないこともあるので注意が必要です。
ヘーベルハウスのメンテナンス価格は、旭化成ホームズのホームページによると30年前後で400万円程度かかるようですね。
この価格は、45坪・2階建て住宅を想定しての試算を元にしたものです。
メンテナンス工事の内訳は
- 外壁・屋根・雨樋塗装工事
- 目地シーリングやり替え工事
- 屋上・ベランダ防水重ね貼り工事
です。
目地シーリングとは、外壁材(ヘーベル板)のつなぎ目を塞いでいる樹脂素材で、雨水の侵入を防ぐ部材です。
カートリッジに入っていて、専用のガンで施工します。
紫外線や雨水によって劣化するため、15年〜20年程度で交換が必要です。
こまめに塗装をすると長持ちします。
↓シーリング材
↓シーリング専用ガン
上記の工事に伴い、
- 作業用足場工事
- 廃材処分費(シーリング等)
- 材料費(取り換えが必要な場合)
- 施工手間
- 諸経費
などがかかります。
↓作業用足場
目地シーリング材をの交換工事は30〜50万円程度かかるためメンテナンス工事費に占める割合がかなり大きいです。
ヘーベルハウスのメンテナンス工事では、外壁塗装時に目地シーリングがあまり劣化していなくても交換すると言われています。
ユーザーとしてはできれば無駄な工事費はかけたくないところですが、ヘーベルハウス側としては念には念を入れて手厚いメンテナンスを行う方向なんですよね。
2.ヘーベルハウスの家を工務店やリフォーム会社にメンテナンス依頼した場合の価格は?
一般的に、同じ工事内容でもハウスメーカーよりも他社の工務店やリフォーム会社に依頼する方が安くなります。
上で紹介したとおり、ヘーベルハウスでは30年目のメンテナンス費合計が400万円程度かかるのに対し、工務店やリフォーム会社では250万円〜300万円程度になると考えられます。
これは、15年目と30年目にメンテナンス工事を行ったと仮定した場合です。
- 15年目=100〜120万円程度
- 外壁・屋根(屋上)・ベランダ塗装工事
- 必要に応じて屋上・ベランダ防水工事
- 30年目=120〜200万円程度
- 目地シーリングの交換工事
- 外壁・屋根(屋上)・ベランダの塗装工事
- 必要に応じて屋上・ベランダ防水工事
一般的に、同じ工事内容でもヘーベルハウスよりも工務店やリフォーム会社の方が工事単価が安いです。
さらに、工務店やリフォーム会社による工事は、目地シーリング等の問題ない箇所は取り替えないなど臨機応変に対応してくれるため無駄な工事費を抑えることができと考えられますね。
ただし、外壁や屋根の塗装や屋上・ベランダの防水工事は、施工不良などがあると雨が内部に浸入して大きなダメージに繋がります。
信頼できる業者に依頼するようにしてください。
訪問販売で営業に来る業者の中には、不安を煽ってハウスメーカー以上にやらなくても良い工事内容を詰め込んで高額な費用を請求してくる業者もあります。
必ず複数の会社から修理工事の見積もりをとって比較するようにしましょう。
知り合いの工務店やリフォーム会社に依頼するのが理想的かもしれません(^^)
3.ヘーベルハウスの「メンテナンスフリー」は嘘?
ヘーベルハウスはホームページ等で、以下の基本躯体構造等に関しては「60年間メンテナンスフリー」と書いてます。
主要鉄骨
- 鉄筋コンクリート基礎
- 床ヘーベル
- 屋根・ベランダヘーベル
- 外壁ヘーベル
- 開口部(窓)
- 給排水管
さらに、以下の部分については「耐用年数30年間」と明記しています。
- 屋根防水
- 外壁塗装
- 外壁目地
- 雨樋
凄いですよね。
他のメーカーでは10年の保証というのが一般的ですが、60年・30年のメンテナンスフリーですからね。
しかし、よく読むと以下のように書いてあります。
防水部材の重ね貼りや交換、外壁の塗装・目地シーリングの交換、雨樋の塗装・交換などを推奨される時期にきちんと実施されることが前提
これは、
基本構造躯体は、
- 外壁
- ベランダ
- 屋根
のメンテナンスを行うことでメンテナンスフリーですよ、という意味ですね。
しかし、外壁の塗装をすることで外壁材はメンテナンスフリーですというのはちょっと矛盾していると考えざるを得ないです。
「騙された❗」と感じる人がいても不思議ではないですね。
結論としては、
ヘーベルハウスの「60年以上メンテナンスフリー」は嘘ではないけど、対象部分(骨組み・基礎・ヘーベル板)以外に400万円のメンテナンス費用がかかる
ということになります。
また、ハウスメーカー選びに迷っているという方は、無料のスーモカウンターを利用してみることをおすすめします。
目次 ~この記事に書かれていたこと~
実際にはヘーベルハウスの営業マンは後々にトラブルとならないように、最新の注意をしながら保証やメンテナンスの説明をしているようです。
しかし、カタログ等に目に見える形での説明が少ないことから、お客さんの認識が食い違ってしまうことがあるんですね。
ヘーベルハウスを検討する際には、メンテナンスについてきちんとした理解が必要だと感じました。
ハウスメーカー選びの歳の検討材料としてお役に立てればと思います。