ツーバイフォー住宅は在来工法の住宅と並んで日本の標準的な木造構法です。
家づくりをする上で構法をどうするか?
と悩むこともあるかと思います。
「住宅会社からツーバイフォー住宅を提案されたけど、いったいどんな住宅なのか分からない」
「地震に強くて安いと聞いたけど、普通の木造住宅とどのくらい違うのか知りたい」
という声が多いです。
そこで今回は、ツーバイフォー住宅とはどんな家なのか、寿命や耐用年数、ツーバイフォー住宅を採用しているハウスメーカーの価格について紹介します。
ツーバイフォー住宅とは?
- 1 ツーバイフォー住宅とは?
- 2 ツーバイフォー住宅の寿命・耐用年数は?
- 3 ツーバイフォー住宅のハウスメーカーの価格
ツーバイフォー住宅について説明します。
日本の木造構法には、
- 木造軸組工法(=在来工法)
- 木造枠組壁工法(=ツーバイフォー工法)
があります。
在来工法の壁が柱・梁・筋交いで作られるのに対して、ツーバイフォー工法の壁はフレームと構造用の板を一体化したパネルです。
- 在来工法・・・骨組み
- ツーバイフォー・・・箱
パネル(面)で作られているため気密性が高く、断熱性や防火性にも優れています。
ツーバイフォー工法は、もともとはアメリカの技術でした。
1974年(昭和49年)にハウスメーカー・三井ホーム株式会社によって日本にもたらされたのです。
三井ホームは日本のツーバイフォー住宅の草分け的な存在なんですね。
日本でツーバイフォー住宅が急激に普及しだしたのは、1995年1月の阪神淡路大震災の後です。
↓阪神淡路大震災で倒壊した在来工法住宅
阪神淡路大震災では多くの木造住宅が倒壊し、下敷きとなった人々が犠牲になりました。
特に1階部分が倒れて2階が落ちてくるような倒壊の仕方が圧倒的に多かったです。
そこで大地震に対しても倒壊せずに人を守る事ができる家を全国の住宅会社が模索し始めたのです。
そして注目されたのがツーバイフォー工法でした。
↓ツーバイフォー住宅の建て方工事の様子
家を建てるお客さんも、耐震性の高い家を建てたいと思うようになってきたため、ニーズに合わせてツーバイフォーの技術もどんどん高まっていきました。
また、ツーバイフォー住宅の普及に影響されて、在来工法も進化することになります。
骨組みを構造用合板で補強するなど、ツーバイフォー工法の良いところを取り入れ始めたのです。
こうして日本の家は地震に強くなっていったのでした。
ツーバイフォー住宅の寿命・耐用年数は?
- 1 ツーバイフォー住宅とは?
- 2 ツーバイフォー住宅の寿命・耐用年数は?
- 3 ツーバイフォー住宅のハウスメーカーの価格
ツーバイフォー住宅はアメリカの技術なので、湿気の多い日本には不向きだと言われることもあります。
確かに、ツーバイフォーが日本に到来した当初は日本の湿気の多い気候を考慮した措置をせずに建てられたので、以下のような不具合が起きたと言われています。
- 結露によってカビが発生した
- 壁の中に湿気が溜まって骨組みが腐った
しかし、住宅会社や国の専門家の努力によってツーバイフォー工法は徐々に日本の気候に最適化されてきました。
現在では壁の中の通気方法や断熱方法の技術が進み、湿気を内部に溜めないようにできるので、上記のような不具合は起きません。
住宅の耐用年数は、建築基準法では定義されていません。
木造の家が取り壊される年数は新築から30年くらいだと言われています。
しかし、それは家がボロボロになって朽ち果てる年数ではなく、住む人が飽きてしまって新しい家を建てたくなる年数なんです。
日本に現存する最古のツーバイフォー建物は北海道の札幌時計台で、1878(明治11)年10月16日に建てられました。
↓札幌時計台
既に築[birth day="18781016"]年です。
国の重要文化財ですから維持のために多額の費用が使われていますが、きちんと管理すれば非常に長持ちするということですね。
人間の寿命よりも長く維持することが可能ですね。
ツーバイフォー住宅のハウスメーカーの価格
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- 2 ツーバイフォー住宅の寿命・耐用年数は?
- 3 ツーバイフォー住宅のハウスメーカーの価格
ツーバイフォー住宅の価格はどのくらいするのか見てみましょう。
現在、ツーバイフォー住宅を販売しているハウスメーカーは
- 住友不動産
- 住友林業
- 三井ホーム
- セルコホーム
- 三菱地所ホーム
- 東急ホームズ
- 木下工務店
- オスカーホーム
- 天草ハウジング
の9社がメインです。
価格はホームページ上には明記されていません。
どのハウスメーカーの家も、最初から値段が出ている訳ではないのです。
実際に価格を知るには見積もりを取るしかないということです。
比較するには、それぞれのハウスメーカーに同じ要望を伝え、それぞれに間取りを考えてもらう必要があります。
一般的に、ハウスメーカーの場合は施主が間取りを考えてその通り作ってもらうという方法は、以下の理由からできません。
- 独自の工法があり、寸法の制約があるため
- 専属のデザイナーによる他にないアイデアを持っているため
間取り作成やデザインの良さも含めた価値で判断するということですね。
価格の比較方法としては、2010年くらいまでは「坪単価」という数値によって比較することが多かったのですが
- 分母となる面積にどこまで含むのかのルールがない
- 本体価格にどこまで含むのかのルールがない
という理由から、比較することはできないということが分かってきて、次第に使われなくなりました。
完成した家を作るのにかかった費用を家の延べ面積で割れば、ほんとうの意味の坪単価が出ますが、それを設計前の段階で算出するのは現実的に無理だということです。
大手ハウスメーカーではなく、自社独自の認定工法を持たない建築士事務所や地場の工務店などの住宅会社は、現場ごと1から設計しますから、ある間取りを在来工法で建てる場合とツーバイフォー工法で建てる場合の金額を比較することができます。
すると、ツーバイフォー工法で建てた住宅の方が、在来工法よりも安くなることが一般的です。
その理由は、
- 工期が短い
ツーバイフォー工法は、壁パネルを専門工場で作って現場に搬入するため、大工さんの外部の工事が完了するのが1週間程度早いのです。 - 大工手間が少ない
在来工法では、窓を取り付けるために窓の上下に「まぐさ」「窓台」を施工する必要があったり、筋交いや構造用合板を現場で施工しますが、ツーバイフォーにはそれらの工程が不要です。
が挙げられます。
↓工場で作られた壁パネルが工事現場に搬入されたところ
以上のことから、ツーバイフォー住宅の価格は見積もりを取らなければ分からないですが、建築コストとしては在来工法よりも安くなるということが分かります。
以上、今回はツーバイフォー住宅とはどんな家なのか、寿命や耐用年数、ツーバイフォー住宅を採用しているハウスメーカーの価格について紹介しました。
ツーバイフォー住宅について気になっている場合は、参考にしてください。